黒い影 ページ3
ポコッ…ポコポコ‥
水の音。
魚たちが優雅に泳ぐ場所。
高層ビルの屋上に設けられた水族館。
水槽を見る3人と腕に抱かれる子ども。
｢好きだな｣
｢見てると落ち着くんですもの、何時間でもいられるわ｣
｢僕はハンドルを握っている時の方が1番落ち着くけどね｣
｢ふふっバカね｣
｢何がおかしいのさ？｣
｢みちるの言う落ち着くという意味が違うのでは？｣
｢え？そうなの？｣
｢女性の気持ちが分からないようよ？
ダメなパパね？ほたるーー｣
｢パー(ニコッ)｣
｢ほら、ほたるもそう言っているわ｣
｢困ったな(笑)｣
話しながらビルの屋外に移動する3人。
それは、外部太陽系を守護に持つ戦士たち。
セーラーウラヌス、天王はるか。
セーラーネプチューン、海王みちる。
セーラープルート、冥王せつな。
そして、セーラーサンの力で転生した、
セーラーサターン、土萠ほたる。
ほたるを土萠教授から預かり3人で育てていた。
いつか戻ってくる自分たちのプリンセスのため。
命をかけて守ったプリンセスの願いのために、
3人で守ると誓った。
｢それで、話って？｣
｢さっき月の近くに何か‥
邪悪なエナジーが現れるのを感じたんだけれど‥｣
｢敵？｣
｢分からないの。すぐに消えてしまったから‥｣
｢地球の引力に捕まって砕けちったのかも？｣
｢随分楽観的なのね？｣
｢君の鏡に捉えられないものなら大した奴じゃない｣
｢それって、ズルくない？｣
｢そんなことないさ、信じてるんだ。
君の力を、そしてあの子のことを‥｣
｢確かにそうですね。
この地球は私達プリンセスの保護で守られていますから｣
｢だろ？｣
｢けれど、あの子は今‥｣
｢いや、僕は信じてる。あの子は僕達のもとに‥
僕の隣に帰ってきてくれる。
そう、あの子が言っていたから。人2‥｣
｢はるか…｣
はるかはそっと空を見る。
今は夜で暗く太陽の光がない夜空。
もう一人のプリンセス、月の光が輝く空を。
そんなはるかにつられて2人も空を見る。
そのとき。
空に流星雨が流れ始める。
｢珍しいな‥｣
｢えぇ‥せつな、
今日は流星雨の予報なんてあったかしら？｣
｢いえ‥そんな前兆などなかったはずです｣
3人が流れる星を見ながら訝しんでいた時、
周りにいた人達から悲鳴が上がり出す。
｢痛い！｣ ｢キャー！｣
はるかの手にも空から降ってきた何かが刺さる。
｢痛ッ｣
｢はるか！｣
はるかの手から慎重に何かを取り出すみちる。
｢ガラスの破片‥？｣
｢離れろ！みちる！｣
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作者名：歩 | 作成日時：2023年5月6日 4時
