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｢人2｣
人2の姿を確認したはるかは、
いつもの様子と違うことに気付き傍に寄ると声を掛ける。
｢どうした？｣
｢はるか‥｣
泣かないようにはしているが
目が潤んでいる為はるかはすぐに気付く。
｢今日はもう遅い。
ほたるの話しも明日聞くことにしよう。いいかい？｣
｢はい｣
ほたるが頷くのを見てはるかは人2に目を向ける。
｢今日は僕の部屋においで、人2｣
｢でも‥｣
｢私なら1人でも大丈夫。人2ママ、ありがとう｣
ほたるは人2にニッコリと笑いながら声をかけ
｢おやすみなさい｣と自分の部屋に戻っていった。
｢僕達も部屋に戻ろう｣
｢おやすみ、人2｣
みちるも今の人2が不安定であることは気付いていて
優しく声を掛け、はるかにはアイコンタクトを送る。
“人2をお願い”
“あぁ”
｢おやすみなさい、みちる、せつな｣
｢はい、おやすみなさい｣
せつなも優しく笑いかけ、少しでも安心してほしいと願う。
はるかside---
人2が部屋に入って来た時すぐに気付いた。
あの子を纏う力が不安定なこともあったが
何よりも涙が溢れるその目を僕は見逃せなかった。
部屋に人2を連れてきて静かに声を掛ける。
｢さぁ、先に布団に入っていて。
すぐに着替えて君の傍に行くから｣
コクン、と静かに頷くとベッドに向かう人2。
はるかはすぐに着替えて人2の傍に寄り添い横になる。
人2はそっとはるかの胸に顔を寄せる。
｢何があったんだ？｣
そんな人2に腕を回し静かに問いかけた。
ポツリ、ポツリと話していく。
邪な気配に気付いて目が覚めたこと。
すぐに力で弾き飛ばしたがほたるも怖がっていたこと。
そしてサターンが現れて話をしたこと。
ほたるがサターンの力に覚醒したこと。
｢私‥止められなかった‥。
あれだけほたるには普通の子として生きてほしいって、
皆に自分の為に自由に生きてほしいって、
そう、願ってたくせに‥。
サターンが私に救われたんだって、
私を守れることが喜びなんだって、
そう言ってくれて、私何も返せなくて‥。
でも、ほたるが記憶を思い出していく姿を見て‥。
ほたる‥泣いてた‥っ‥。
やっぱり、辛いこと思い出させて、
私は何をやっているんだろうって‥っ。
私が泣く資格なんてないのに‥悲しくなって‥。
こうして、はるかに甘えて‥っ。私‥私っ‥｣
泣きながら、言葉をつかえさせながら話す人2。
はるかは安心させるように背を撫でながらも
儚く泣く姿にギュッと抱き締める。
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作者名：歩 | 作成日時：2023年5月6日 4時
