大切だからこそ ページ15
｢はるか‥｣
｢きっと大丈夫さ。
それに、何かあればすぐに僕達が駆け付ける｣
｢そうね、十番街にはクリスタルの加護をかけてあるし、
異変を感じたらすぐ分かるはず‥｣
｢無理をしていないか？
あの破片が降った日からずっと力を使い続けているんだろ？｣
｢大丈夫よ。この星を守ること、それが私の使命｣
｢はぁー‥。無茶することだけは昔から変わらないな‥｣
｢むっ。はるかだって一緒じゃない！
いつもいつも先走って無茶ばっかり！｣
｢君を守ることが僕の使命なんだ。
君の為なら僕は悪にだって手を染める‥｣
｢そんなこと私は望んでないわ！｣
｢僕だって君が命をかけることなんて望んでない‥｣
｢皆を守る為なら命だってかけるわ！｣
｢それは僕も同じさ。君の為なら命も惜しくない｣
｢私ははるかに生きていてほしいだけなの‥｣
｢なら、僕の気持ちも分かるだろ？
僕は君に生きていてほしい。叶うなら僕の隣でずっとね｣
｢‥‥分かったわ。でも、はるかも自分を大切にして？｣
｢あぁ、約束する｣
人2side---
お互いがお互いを思うからこそ譲れないものがある。
ただ“生きていてほしい”。
ただそれだけのはずなのに。
そんな願いさえ簡単に叶えさせてはくれない。
“戦士なんてやめたい”
そんな風に思うこともあるわ。
でもね、皆の笑顔を見ていると思うの。
あぁ、私はこの笑顔を無くしたくない‥守りたい‥って。
きっと、私ははるかとの約束を守れない。
はるかもそうなんでしょ？
何かあったらはるかは一目散に行ってしまうから。
私の声なんて届かない。
昔からそんな所ばかり私達は似てるよね。
ねぇ、はるか。
約束は出来ないけど、でも傍にいられる間は甘えさせて。
あなたが誰よりも大切で、愛しているから。
どうか、ずっとあなたに太陽の加護がありますように。
はるかside---
お互いを大切に思うからこそぶつかり合う。
君には生きていてほしい。
そんな願いさえ、神様は叶えてくれないんだ。
いつも僕は置いてきぼり。
どんなに早く走れても、君はあっという間に行ってしまう。
もうこんな思いは嫌なんだ。
だから、僕はきっと君との約束を守れない。
君もそうなんだろ？
皆を守る為なら僕の声なんて君には届かない。
そんな所ばかり僕達は似てしまったな。
ねぇ、人2。
約束は出来ないけれど、傍にいられる間はどうか笑っていて。
君の笑顔は何よりも輝いて皆を照らしてくれるから。
そんな君が僕は大切で、愛しているよ。
どうか、太陽の加護が君にもありますように。
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作者名：歩 | 作成日時：2023年5月6日 4時
