一時の平和 ページ14
カフェ
放課後、うさぎ達はいつもの様にCROWNに立ち寄っていた。
｢平和っていいわね｣
｢えぇ、勉強が捗るわ｣
｢私もね、
輝く未来に向けてテレビで英会話の勉強をしてるのよ｣
｢面白そうね｣
｢そうなのよ。
レッツ・スピーク・イングリッシュっていうのよ｣
｢かなりハイクラスのやつよね｣
｢私もそれ見てる！司会のジョージさんってカッコイイよね！｣
｢そうなの！特にあの目が素敵なのよ｢｢ねー！｣｣
まこととレイは声を揃えて楽しそうに顔を合わせる。
そんな2人に亜美は‥
｢2人共、本当にお勉強してる‥？｣
勉強しているのかと疑問に思う‥。
｢ねぇ、聞いて聞いて。
私なんてね、毎日歌と踊りの練習をしてるのよ！｣
皆が楽しそうに会話を繰り広げる中、
うさぎだけは頬杖を付いてボーッとしている。
｢うさぎ？｣
｢どうしたの？｣
｢元気ないわね？｣
｢衛さんと喧嘩でもしたの？｣
｢そういうわけじゃないんだけど‥｣
｢元気出しなよ｣
｢私達で良かったら｣
｢いつでも相談にのるわよ｣
｢うん、実はね、この間ね‥｣
うさぎは衛とデートした時に衛の体調が悪そうだったこと、
そこで人2とはるかと遭遇したことなどを話した。
｢そうだったの‥。衛さん心配ね｣
｢うん‥。でも、あの時人2ちゃんが声掛けてくれて、
一緒にいてくれて、少し安心したの‥｣
｢そうね｣
｢そういえば、今日人2は？｣
｢人2ちゃんは用事があるみたい。
はるかさんが車で迎えに来てて、慌てて帰って行ったわ｣
｢何かあったのかしら？｣
｢何かあれば私達にも話してくれると思うけど‥｣
｢そうよね。人2も1人で抱え込むタイプだから
私達にも頼って欲しいわ‥｣
｢そうね‥｣
その頃、はるかの車が自宅の敷地内に停車し、
人2とはるかは帰宅していた。
｢街を回ってみたけど、何も感じなかったわ‥｣
｢そうだな‥。あれから衛さんのこと何か言ってた？｣
｢ううん‥。
うさぎも学校があるから電話しか出来てないみたい‥｣
｢そうか‥。声だけだと分からないな‥｣
｢うん‥。もう一度、衛さんに会えたらいいんだけど‥｣
｢会ってどうするんだ？｣
｢遅いかもしれないし、気安め程度かもしれないけれど、
ゴールデン・クリスタルの加護を衛さんに‥。
そうすれば、何かあってもすぐに駆け付けることが出来る‥。
あの時すぐにやっておけば良かった‥｣
人2は悔しそうに唇を噛む‥。
｢人2‥。君は悪くない｣
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作者名：歩 | 作成日時：2023年5月6日 4時
