＿＿＿＿＿ ページ8
翔「モルヒネ・・・入れてくれたんだ。」
和「痛みで寝られないよりは・・・ね？ありがとう、翔さん。」
翔「・・・え？」
和「俺の知らないところで、こうしていつもAちゃんの体、さすってあげてたんでしょ？」
翔「頑張ってたのは・・・Aちゃんだから。」
和「きっと便秘や呼吸抑制の症状が出てくると思うけど。看護よろしくお願いします。」
翔「うん、任せなさい！」
和「久しぶりによく眠れてるみたいだね。」
翔「うん。ほんと天使みたい^^撫」
しばらく２人ですやすや眠るAをただただ見つめていた。
.
.
.
翔「・・せっ！・・・和せんせっ！」
和「んっ、んぅ〜・・・。」
翔「よく寝てたね^^」
和「あぁ、俺。寝ちゃってたんだ。」
翔「うん、２時間もね。」
和「え？！２時間も？！ちょ、なにも変わったことなかった？」
翔「なにかあったら叩き起こしてるよ笑」
和「・・・あ。雨降ったの？」
翔「あぁ、３０分くらいかな。夕立みたいにだーっとね。」
窓越しに外をぼんやり見つめる和也は、何か思い立ったように呟いた。
和「俺・・・Aちゃんとこ行ってくるわ。」
翔「はいはい^^」
翔は困ったような優しい顔で和也を見送った。
.
.
雨が上がると決まってくる場所がある。
Aとの思い出の場所。
Aが僕のことを好きだって伝えてくれたあの場所。
ここに来ると、まるで隣にいるかのように温かい風が吹く。
Aを感じることができるんだ。
.
和「Aちゃん・・・。俺、医者に向いてないのかなぁ・・・。」
ポツポツと心の声が溢れてくる。
Aにはどんなことも話せるんだ。
すると雲間から太陽の光がぱーっと差し込んで、窓風がカーテンを揺らす。
『まだまだ頑張れ』ってAの声が聞こえたような気がして顔を上げた。
見上げた先には窓の向こうに見える２本の虹。
そう言えば、Aちゃん言ってたっけ。
『あたし、虹ってきれいで大好きなの。
だからね、“虹よりお前の方がきれいだよ”って言ってくれるような人がいいなぁ！』
笑ってそう話してくれたA。
.
今なら言えるよ。
“虹よりAはきれいだ”ってね。
fin.
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優衣ｻﾏ
ﾘｸｴｽﾄありがとうございました！
エンディングはお任せとのことだったので
初めてこういう形にしてみました←
なんせ初めてなのでまとまり悪くてすいません；
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作者名：*さくらばー* | 作成日時：2012年10月16日 17時
