山風ｸﾘﾆｯｸ７！ (ページ25)

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奥から潤に代わって翔が出てきて、にこっと笑顔を向けてくれる。

翔「Aちゃん、えらいね。すぐ終わっちゃうから、ちょっと頑張っちゃおうね。」

『・・・う～。』

翔「だぁいじょうぶ。Aちゃんがリラックスしてたら、何も痛いことないから、ね？」

『・・・ｺｸﾝ』

翔「よし。じゃあこっちで準備しようか。」

そういって翔に連れてこられたのは、ドラマなんかで見たことのあるようなピンクの内診台。
一度は腹をくくったAも、内診台を目の前にするとどうしても足がすくんでしまう。

翔「ちゃんとカーテンあるから安心してね？じゃあこっちで下着脱いで。荷物はここね？スカートはそのままでいいからね。準備ができたら、イスに座って待っててね。」

翔は一通り説明すると、カーテンを閉めて診察準備の手伝いに向かった。
一人取り残されたAは、不安と緊張で泣きそうになりながらも、やるしかないと準備を進めた。

ピンクのイスに腰掛けて待っている間もソワソワして落ち着かず、スカートをギュっと握りしめて泣きそうになるのをぐっとこらえた。

翔「準備できたかな？ちょっとバスタオルかけておこうね。じゃあ足をこの台に乗せられるかな？」

『ぃゃ・・・涙』

翔「バスタオルで隠れてるから大丈夫、ね？力抜いててよ？背もたれに寄りかかっててね？イス後ろに倒すよ～。」

結局自分で足を乗せることもできず、全部看護師さんがやってくれた。
背もたれが倒れるころにはもう頭の中は真っ白で、ただただ早く終わってくれることを願うしかなかった。

あまりにも緊張しているAを見かね、今回は翔がAの側に付き添うこととなった。

翔「Aちゃん、辛くなったら遠慮なく言って？診察中、そばにいるからね^^」

潤「それじゃあAちゃん、診察始めるね？力抜いて、深呼吸してごらん？」

お腹の上にはカーテンが引かれていて、先生の姿はこちらから見えず、声しか聞こえない。
それでも、グローブをはめる音や、診察用のイスに座る音で緊張感が増し、なかなか言われたとおりに力を抜くことができない。

初めての診察ということもあり、先生は急かすことなくAのタイミングで力が抜けるのを待ってくれていた。
先生だけでなく、翔も笑い交じりの話をしたり、優しく頭や胸元を撫でてリラックスできるように配慮してくれていた。