山風ｸﾘﾆｯｸ７！ (ページ22)

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翔「俺、ちょっとこの弁当届けてくるから。そこの待合のソファで待ってて？」

『あ、えっと・・・はぃ。』

翔「逃げちゃダメだよ～？笑」

そう言ってニコッと笑うと、奥のスタッフルームに消えて行った。
奥から聞こえるのは、「翔さん、遅い！」やら、「俺のからあげ～！」と言った何とも病院にふさわしくない会話。

せっかくの休憩時間に悪いことしたなぁ・・・という気になり、やっぱり帰ろうと一度立ち上がったが、さっきの看護師さんの言葉が脳裏をよぎり、どうしようか悩んでいた。

するとスタッフルームの扉が開き、先ほどの看護師さんと、もう一人ラベンダー色のカーディガンを羽織った若い男性が現れた。

翔「ごめんね？弁当を待ちきれないやつらがいっぱいいてさ笑」

潤「こんにちは。」

翔「えっと、あの・・・？」

潤「あ、いきなりごめんね？ぼくは、婦人科医の松本です。」

『お、医者さん？！』

白衣着てないから、お医者さんだなんてわからなかった・・・。
それにしても、かっこいい///

翔「かっこいいでしょ笑？潤先生はこのクリニックで一番人気の若手ホープだから。」

潤「ちょ、翔さん！///」

そりゃ人気でしょうよ。
お医者さんなのにこのビジュアル・・・。患者さんに人気がでないわけがない！

先生のかっこよさに驚きつつも、こんなかっこいい先生に大事なところを診られるんだと思うと急に恥ずかしさでいっぱいになり、やっぱり帰ろうと頭を下げた。

『あの！やっぱり帰ります！休憩時間みたいだし・・・あの、その、やっぱ診察とか無理、なんで・・・お、お、お邪魔しました！///』

翔「あっ、ちょっと待って！」

パタパタと出口に向かい、急いで靴を履きかえようとするも、翔が追いつく方が早く、あっけなく腕を掴まれてしまった。

翔「ちょっと待ってって。なにか心配なことがあったからここに来たんだよね？違う？」

『うぅっ・・・涙』

痛いところをつかれてしまい、言い返せないA。
そんなAの頭を、またあの大きい手が優しく撫でてくれる。
翔の後ろから、困り顔の潤がでてきて、Aの目線の高さまで腰を落として話し始めた。