山風ｸﾘﾆｯｸ７！ (ページ14)

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ｶﾙﾃ 034 * くっきーｻﾏページ14

ｶﾙﾃ034 * くっきーｻﾏ(17)
担当医 * 二宮
担当看護師 * 櫻井
診療科 * 内科
病名 * 急性化膿性咽頭炎

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３日ほど前から喉の異物感と乾燥感が気になっていたA。
それでも咳や鼻水といった風邪症状もないので、そんなに気にすることはなかった。

というか、“病院に行く”という選択肢は初めから持ち合わせていない。
きっと乾燥しているからだろうと決めつけて今日も高校に向かう。

それからAの病状はみるみるうちに悪化していった。
だんだん喉の違和感が痛みへと変わり、乾燥感を紛らわすために唾液を飲み込むことすら痛みを煽るものでしかなくなった。

それに加え、朝にはなかった全身の倦怠感に、受け入れたくない発熱という事態。
保健室に向かうと、今日は帰った方がいいということになり、仕事の昼休憩の合間に迎えに来た母親と一緒に帰宅することとなった。

母「朝から具合悪そうだったもんね；」

『え・・・気づいてたの？』

母「そりゃ母親だからね～。悪いけど、母さんまだ仕事上がれないのよ。」

『仕事なのに、ごめん。寝てれば大丈夫・・・。』

しゃべることすら喉への刺激となり、１時間前より確実に上がっているであろう熱のだるさもあって静かに目を閉じた。

母「インフルエンザだといけないから、病院行って診てもらいなさい。いつものとこ、予約入れといたから。」

『えぇ？！・・・っΣ』

母「もう、そんな大声出さないの。和くんに診てもらうなら怖くないでしょ？」

『いやだよ！行かない！』

母「昔はあんなに和くん、和くんって言ってたのにね～。」

和くんというのは、Aの幼馴染・・・
というか、家が近所のため小さいころからよく面倒を見てくれていた近所のお兄ちゃん。
歳は１２歳も離れているのだが、人見知りの私には珍しく、小さいころは和くんの後ろをついて離れなかったらしい。

和くんのお父さんはいわゆる町医者で、Aの家の近くにある個人病院のお医者さんだ。
小児科・内科・耳鼻咽喉科の看板を掲げていることもあり、Aも小さいころからお世話になっていた。

その病院に和くんがお医者さんとして働き始めたのが１年前。
運よく去年は風邪など引かず冬を越したため、お医者さんになった和也をまだ見たことはない。
というより、大好きだった和くんが大嫌いなお医者さんになってしまったことで、会うのが怖くなってしまったのだった。