山風ｸﾘﾆｯｸ５！ (ページ18)

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智「はぁい、じゃあちょっと上の方向いて～？」

『んぅ～・・・』

和「ん、ちょっとごめんね～。」

智がくいっと顎を持ち上げると、和也が後ろから両手で包み込むようにしてAの頭部を固定した。

智「お鼻にスプレーしゅってするよ～。ちょっとしみるかなぁ？・・・しゅっ」

『んっ！涙』

智「ごめんごめん、痛かったねぇ；」

次に智はピンセットで丸めた麻酔薬のしみたガーゼをこれでもかというほど次々とAの鼻腔内に詰め込んでいく。

智「ちょっと気持ち悪いけど、ごめんね～。ガーゼ入れていくからね。」

『んっ！んっ！涙』

和「気持ち悪いね～；よしよし、ほら、お顔動かさないでなぁ？」

『やぁ～涙』

智「しっかり麻酔しといたら、治療するとき痛いのなくなるからね。今度反対のお鼻入れるよ～。」

『んっ！涙』

和「大丈夫、大丈夫。もう終わるからね～。」

智「よぉし、じゃあ麻酔が効くまでそのままね。撫」

Aは鼻の痛みと違和感があまりにも不快で、何度も鼻に手を伸ばそうとするのを、和也が制しながらなんとか２０分間持ちこたえた。

『やぁ・・・とってぇ～涙』

智「はいはい、もう取ろうねぇ。ん、じゃあ上向いて～。」

『ん～！』

智「よく頑張ったねぇ。ほら、もう取ったよ～^^」

和「お口気持ち悪くない？大丈夫？」

『もぉおわり～！涙』

智「いやいや、今からなんだけどな；」

和「あとは何も苦しいことないよ。撫」

智「お顔動かすと痛くなっちゃうから、ちょっとだけじーっとしててね？」

和「一緒に頑張ろうね～^^おめめ痛くならないようにタオルかけるよ～。おめめつぶってようね。」

うっすら目に涙は浮かんでいるものの、和也が頭を撫でながら目をタオルで覆っても、大泣きするほど取り乱すことはなかった。

それでもやっぱり不安なのか、和也の手を握って離さなかったので、落ち着くまでしばらく手を握ったり頭をなでたりして声をかけ続けた。