山風ｸﾘﾆｯｸ６！ (ページ9)

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翔「Aちゃーん、お腹痛いね。もうすぐ先生来てくれるから、あとちょっと頑張ろうね～撫」

この声がちゃんと届いているかはわからないが、ベッドの上で痛みに苦しみながら涙を流すAの背中をさすり、声をかけ続けた。

潤「お待たせ！いま小児科手離せないみたいで・・・どんな状態？」

白衣を翻して処置室に現れたのは、小児外科の松本先生だった。

翔「今日学校で腹痛を訴え、早退後に一度個人病院に受診したそうです。その時は微熱と腹痛で、お腹の風邪との診断を受けて帰宅したそうなんですが、お母さんが妹さんを保育園に迎えに行っている間に腹痛がひどくなったようでこのクリニックに。」

潤「ん、ちょっと検温して？」

翔「はい。ちょっとお熱はかるからね～。お耳でピッてするよ～。」

潤「もう先生来たから大丈夫だよ～^^ お腹痛いの診せてな～。」

翔「38.2℃です。」

潤「ちょっと腹部の診察するから、体勢変えてあげて？」

翔「Aちゃん、ちょっとごめんね。痛いだろうけど、もしもししてもらうからおててどけられるかな？」

『んーーーっ！暴』

潤「痛いよなぁ、ごめんごめん。すぐ終わりにするからなぁ。」

腹部を抱え込むようにうずくまっているAの手を翔がほどいて固定し、潤がその隙を狙って腹部をゆっくり触診し始めた。

『ぎゃーーー！いたぁーーーいーーー！泣』

潤「ごめんなぁ、もうちょっと我慢な。今、ばい菌さんどこにいるか探してるからね～。ｸﾞｲｸﾞｲ」

『ぎゃーーー！泣』

潤「櫻井くん、採血とレントゲン、エコーの準備お願いできる？」

翔「あ、はい！」

翔がテキパキと検査を手配しているうちに、潤は血圧をはかり、採血を済ませた。

あまりにも腹部の痛みが強いため、Aを押さえながらでないと暴れて大変だったが、なんとかレントゲンとエコーも終え、急性虫垂炎と診断した。