山風ｸﾘﾆｯｸ６！ (ページ6)

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翔「よし、じゃあ膝の方から縫合していくからね～。」

翔は縫合しやすいように足を固定すると、無影灯を引き寄せて裂傷部を照らした。

翔「まずは傷口を洗浄するからね。ちょっとしみるけど我慢だよ～。」

『ビクッΣ！んっ、んっ！暴』

翔が生理食塩水で傷口の洗浄を始めると、相当しみるようで大暴れしだすA。

なんとか逃れようともがくAの足を和也が固定し、翔は傷口を広げ、残っている泥などを洗い流していく。

和「痛いよね～、よしよし。もうちょっとだからね。」

翔「ごめんなぁ、周りきれいにしたら麻酔するからね。もうちょっとだけ我慢しててよ。」

なんとか表面の泥は取りきったものの、傷口にはまだ細かな石が付着しているため、さらに洗浄が必要だった。

翔は一旦洗浄を中断し、準備していた麻酔用のシリンジを手にした。

翔「はい、じゃあ麻酔していくからね～。ちょっとチクっとするよ。」

『・・・え？』

なるべく足を見ないようにしていたAだったが、注射器を手にしている翔の姿が目に入ってしまったため、軽くパニックを起こしてしまった。

『いやっ、いやっ！やめてっ！泣』

和「だぁいじょうぶ、大丈夫。ね？麻酔頑張ったら、もう痛いのないからね～。動いたら危ないから押さえるよ～。」

そんな和也の声が届くはずもなく、全身をつかって逃げようと必死のA。

和也が全身を使ってAの足を固定し、翔はぎゃーぎゃー泣き叫ぶAに構わず麻酔を施した。

『いったぁーい！泣』

翔「よしよし、えらいなぁ。もう終わるからね。・・・ほら、注射おしまーい^^」

あとは縫合だけだからと、和也にはAのなだめ役に徹してもらい、麻酔が効いてきたのを確認して、ブラシを使用して傷口の洗浄を再開した。

麻酔が効いていることと、和也がそばにいて絶えず話しかけてくれていることもあって、先ほどの暴れようが嘘のようにおとなしくなった。

あいかわらず体は力が入りまくってガチガチで半ば放心状態だったが、翔が手際よく縫合を済ませてくれたおかげで、取り乱すことなく処置を終えることができた。