山風ｸﾘﾆｯｸ６！ (ページ25)

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和「先生、準備できました。」

雅「ん、ありがと。」

和也がAの様子を察し、ほとんど目で合図するように準備ができたことを伝えると、雅紀はもう一度Aの顔を覗き込んだ。

雅「どうかな？頑張れそう？」

和「僕もお母さんもそばについてますから、ね？撫」

『・・・・・・頷。』

微かだがコクリと頷いてくれたのを確認すると、もう一度わしゃわしゃと頭を撫でた。

雅「よぉし、先生頑張っちゃうからね！撫」

和「早くばい菌取ってもらって、痛いの治そうね^^」

雅「じゃあね、ばい菌取る前に、お耳の中にお薬の綿詰めるからね～。」

和「さっきみたいに横向いてようね。」

雅「はぁい、じゃあお耳の中入れるよ～。」

雅紀は麻酔液に浸った脱脂綿をピンセットでつまむと、ぐいっと耳をひっぱって慎重に挿入していった。

『ん、ん～；＞_＜』

雅「ちょっと気持ち悪いねぇ；これ頑張ったら、痛いのも少なくなるからね。じゃあちょっとこのまま１５分くらい、待合室で待っててくれる？時間経ったらまた看護師のお兄ちゃんが呼びに行くから、ね？」

『・・・・・・頷。』

雅「よし！お耳気持ち悪いだろうけど、触らないでね^^」

雅紀と和也は不安顔のAを笑顔で送り出した。

.

雅「あぁ、Aちゃん耐えられるかなぁ；」

和「なぁに相葉さんが不安になってんですか・・・何例もこなしてきた処置でしょう？」

雅「そうだけど・・・Aちゃんにとっては初めてのことだもん。きっとかなり怖がってると思う。」

和「相葉さんがそんな怖い顔してたら、そりゃAちゃんも不安になりますよ！」

雅「いっΣ！もぉ、にの！なにすんのさー！」

和也は眉間にしわをよせて心配する雅紀のおでこにデコピンをお見舞いした。

和「んふふｗ相葉さんはいつも通り、笑顔を絶やさなければいいんです。それが患者さんにとって一番の安心になるんですから。」

雅「うーん・・・そっか、そうだよね！うん、俺がんばる！」

和「なんたって固定のプロの和くんがついてるんですから♪」

雅「そうだよね！にのに任せとけば大丈夫^^」

和也のおかげで緊張が緩和された雅紀。
手際よく切開処置に当たれるよう、２人は他愛もない話をしながら処置の準備を行った。