山風ｸﾘﾆｯｸ６！ (ページ24)

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『んっΣ涙』

雅「だぁいじょうぶ。まだ診るだけだからね？ちょっとライト当てるからまぶしいよ？お耳の中診るために器具入れるけど、痛くないからね～。」

『Σやっ！ﾋﾞｸｯ』

和「怖くないよ～。力抜いててなぁ？」

Aの目にはすでに涙がたまり、今にも溢れそうだ。

雅「あぁ、耳の中真っ赤だね；ちょっとひっぱるよ～。」

『んーっ；いたいー！涙』

雅「ごめんごめん、痛かったね。はい、いいよ～^^」

和「はい、おしまーい撫」

雅「お母さん、Aちゃん中耳炎で間違いないですね。だいぶ腫れてますし、小児科でもらった抗生物質が効かないとなると、痛いままだと思うんで、中の膿取ってあげた方がいいと思うんです。」

母「それって・・・」

雅「鼓膜をね、ほんのちょっと切開して膿を吸引してあげるんです。処置には痛みが伴いますが、麻酔もしますし、なによりこのままにしておくと、だいぶ痛みが強くなると思うんです。」

母「わかりました。お願いします。」

雅「できる限り痛みが出ないよう、僕も頑張りますんで！にの、鼓膜切開の準備お願い。」

和「わかりました。」

雅紀は笑顔でAの方に向き直ると、目線を合わせて優しく手を握った。

雅「Aちゃん、ちょっとお話聞いてくれる？」

『ﾋﾞｸｯΣ・・・なぁに？涙』

雅「あのね？今お耳の中診せてもらったらね、真っ赤に腫れちゃってたんだ。だから耳が痛くなったり、お熱が下がらなかったりしてたの。」

『・・・・・・頷。』

雅「それでね？お耳の中のばい菌を取っちゃわないと、痛みもお熱も治らないから、Aちゃんにちょっと頑張ってほしいんだ？」

『なに・・・するの？』

雅「先生が今からお耳の中のばい菌取るの頑張るから、Aちゃんもちょっとの間だけ頑張れるかな？」

『注射、する？涙』

雅「注射はしないよ？でも一瞬だけ痛くなっちゃうかな；」

『痛いのはやだよ！涙』

雅「うん、痛いのは嫌だよね？だから先生も痛くなるのがちょっとで終わるように頑張るから。ね？」

『ん～・・・ｲﾔｲﾔ』

Aは俯いて目から涙をぽろぽろ流し、イヤイヤと弱弱しく首を振って嫌だと訴える。

雅紀はそんなAの頭を優しく撫で、落ち着くまで待つことにした。