山風ｸﾘﾆｯｸ６！ (ページ3)

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「おい、A大丈夫か？」

保健の先生と一緒に駆けつけてくれた顧問の先生に、なんとか大丈夫だということを伝えたくて、小さく頷いた。

顧「大丈夫、意識はちゃんとあるみたいだ。」

保「ここからなら、学校に戻るより山風クリニックが一番近いわね。先生、お願いできます？」

顧「わかりました。A、ちょっと動くから体の力抜けよ～？」

顧問の先生はまだ若いものの、運動部の先生としては珍しくひょろっとした体型だったが、どこからそんな力がでるんだろうと不思議に思うほど軽々とAを持ち上げた。

保健の先生が持ってきてくれたタオルで止血をしながら、私は近くにある山風クリニックに運ばれることとなった。

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和「翔ちゃん、今受付から連絡入って、高校生の子が転倒で裂傷。あと５分くらいで着くみたいなんだけど、お願いしていい？」

ちょうど休憩時間に入るため、もう一人の外科の先生と外来を交代して控室に戻ってきたところに和也が飛び込んできた。

翔「おう、わかった。とりあえず消毒と縫合セット準備しといて。」

和「ごめんね、休憩のはずだったのに・・・」

そう一言言い残して、和也はバタバタと処置室に向かった。
和は休憩もせず働いてるっていうのに、いつも俺に気を使ってくれる。

翔は手にしていたホットコーヒーをぐいっと一気飲みすると、白衣を羽織って処置室に向かった。