山風ｸﾘﾆｯｸ６！ (ページ19)

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『ん！やだって言った！涙』

翔「よしよし、もう終わるから我慢してて？」

潤「だぁいじょうぶ、な？ほら、暴れないの撫。」

『んーん！涙』

翔「ん、いいよ^^ じゃあ次は大きく口開けて～？」

潤「Aちゃん、ほら。あーん。」

『ん～、やだぁ！泣』

翔「はいはい、ちょっとごめんなぁ？」

『ふぇっΣｹﾞﾎｹﾞﾎｯ涙』

翔「はい、いいよ～。気持ち悪かったね。ごめんな？」

『もぉ！涙』

潤「よしよし、そんな怒んないの；」

翔「あとちょっと喉触らせてよ？痛いことしないから、な？」

翔がそっとAの首に触れた瞬間、びくっと体をこわばらせ、ぎゅっと目をつぶって耐えていた。

翔「あぁ、これかぁ・・・確かにしこりできてるね。ここ、痛かったりしない？ｸﾞﾘｸﾞﾘ」

『ん！やだっ！』

首にできたしこりを触っても痛みは感じないようだったが、不快感から顔をそむけ、なんとか翔の手から逃れようと必死だ。

翔「はい、いいよ。ちょっとね、喉のところにしこりができてるから、詳しく検査しておこうね。」

『しこり？そんなのないよ・・・涙』

翔「自覚症状はないかもしれないけど、ほら。ここ触ってごらん？」

翔に促されて恐る恐る自分の喉を触ってみると、確かに今まではなかった塊のようなものに触れた。

Aは一気に怖くなり、ぽろぽろと涙を流し始めた。

『やだ・・・せんせ？あたし、病気なの？涙』

翔「それを今から調べるんだよ。」

潤「櫻井先生に任せておけば大丈夫だから。」

翔「エコーと細胞診の準備お願い。」

潤「わかりました。」

翔「Aちゃんは落ち着いてからでいいから、あっちのベッドに横になろうね。」

潤が検査の準備をしている間、翔がしばらく背中をさすってくれたことで安心し、なんとかベッドに横になることができたAだったが、表情は不安でいっぱいで、目には涙をためている。

翔「寒くない？ちょっとブランケットかけてあげようね^^」

緊張からの震えであることはわかっていたが、ブランケットをかけ、その上から優しくお腹のあたりを撫でていると、だんだん力が抜けていくのがわかった。