山風ｸﾘﾆｯｸ６！ (ページ16)

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智「そう簡単に病院嫌いは治らないよね～；笑」

和「なんか、すいません・・・」

２人が診察室から顔を覗かせ、待合室にいるAと母親を見ていると、母親は慣れた手つきでAを落ち着かせ、絵カードを見せてこれからの流れを説明しはじめた。

さっきまでは『かえる』と繰り返していたAも、絵カードを見て納得したようで、再び診察室に入ってきた。

『おーのさんにおめめをみてもらいます。 Aはじっとしていなければいけません。』

和「おかえり^^」

姉「ごめんね。家で絵カード見せて何度も説明したんだけど・・・。」

智「Aちゃん、えらいね～。じゃあ大野さんにおめめ診せてよ～^^」

緊張で落ち着かなくなってきたA。
いつパニックが起こるかわからない状態なので、ここは嫌がっても時間をかけずに診察してしまおうということになった。

和「A？１０数える間、お顔タッチ我慢だよ、ね？」

智「ニノは頭部の固定お願い。お母さん、手押さえててあげてください。」

姉「今からタッチね。嫌だろうけど我慢だよ^^」

母親がAの手を握った瞬間、それを振り切るように暴れだすAの体を、和也が後ろから支えて頭部を固定し、智に合図を送った。

智「嫌だね～。すぐ終わりにするから、ちょっとお顔触るよ～。」

『きーーーーーー！あーーーーーーーー！！！泣』

智の手が顔に触れた瞬間、大きな声で叫びながら、不快感に耐えきれず顔を左右に動かそうと必死にもがき始めた。

それをなんとか和也が受け止め、母親が数を数えている間に、智は慎重かつ迅速に目の診察にとりかかる。

『ぎぃあぁぁーーーー！！』

智「よしよし、痛いね。嫌だね。・・・はぁい、いいよ。もうおしまいね。よく頑張ったね^^」

和「はぁ・・・いっ！Σいててて、A！いたいっ！Σ」

智の手が顔から離れた瞬間、和也の固定が緩んだすきに、顎に添えられていた和也の手に噛みついてしまったA。

恐怖心のあまり、パニックを起こしてしまったようで、和也が痛いと訴えてもなかなか離してくれようとはしない。

姉「A！かずのおてて、離します！かずが痛いです！」

『きーーーーーー！！！』

和「はぁはぁ・・・いってぇ～・・・；」