山風ｸﾘﾆｯｸ６！ (ページ11)

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翔「・・・ちゃーん。・・Aちゃーん。」

『んっ・・・』

翔「よく頑張ったねぇ。もうお腹痛いのバイバイできたからね^^ お部屋行ってゆっくり休もうね～。」

気づけば手術は終わっていて、オペ室の前で待っていてくれた翔にAが受け渡されると、中から汗だくの潤が現れた。

潤「オペは無事に終わりました。」

母「ありがとうございます。」

潤「Aちゃんですが、思った以上に炎症が進行していて、お腹の中で膿が溜まっていました。お腹に溜まった膿を排出するため、今はドレーンという柔らかいチューブを入れています。これは３～５日で抜けるので心配ありません。しばらくは入院になりますので、あちらで看護師から説明させていただきます。」

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面会時間ぎりぎりまで付き添っていた母親も、妹のこともあるからと帰宅してしまった。

Aは手術後からうとうとしたままで、なかなか目覚めそうになかったが、当直のため深夜のラウンドを行っていると、Aの病室からうめき声のような泣き声が聞こえた。

翔「Aちゃ～ん。どうしたかなぁ？」

『うぅーっ、うっうっ泣』

翔「ちょっとごめんねぇ。」

翔がAの額に手を当てると、熱を帯びていることに気づき、ポケットに入っている体温計で熱を測ると38.9℃と高熱だった。

翔はナースコールで潤を呼んでもらうよう指示すると、タオルで汗をぬぐってやった。

潤「Aちゃん、熱高いって？」

翔「あ、先生。今検温したら38.9℃でした。腹部も痛むようでずっと唸ってます。」

潤「解熱鎮痛剤の坐薬持ってきて。あと氷枕も。」

翔「はい。」

潤「Aちゃん、苦しいね～。すぐ楽になるから、ゆっくり大きく呼吸しようね～。」

翔が坐薬を持ってくると、ドレーンや点滴、尿カテがひっかからないよう嫌がるAを押さえて体勢を整えた。