山風ｸﾘﾆｯｸ３！ (ページ10)

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次の日。

朝から採血や心電図、心エコーなど、いろんな検査が行われた。

検査室への移動はもちろん車椅子。
和也は検査室で検査データ待ちのため、病室までは翔が車椅子を押してくれた。

翔「朝から検査いっぱいで疲れたろ？部屋帰ってちょっと休もうな^^」

『検査、もうおしまい？』

翔「午前中はね。お昼からあと１つだけ頑張ってな。」

『ん･･･。』

翔「よし、部屋ついたよ。
このお薬、ちょっと飲んどこうか。」

『なに？これ･･･』

翔「検査が怖くなくなるお薬♪」

そう言って安定剤を１錠服用させた。

翔「さ、ベッドに移動するから、力抜いててな？」

『えっ、ちょ！自分で移れるよ///』

翔「ん～？疲れてるだろうから、今だけ特別^^」

そう言って軽々と横抱きにしてベッドに寝かせてくれ、首もとまで布団をかけてくれた。

翔「また検査前に二宮がお迎え来ると思うから。それまで寝ててもいいからね^^」

翔は笑顔でAの頭をポンポンど撫でると、病室を出ていった。

あり得ないくらいに心拍数が早まり、胸がきゅーっと締め付けられた。

.

どれくらい時間が経ったんだろう。
慣れない検査で疲れていたためか、知らない間に眠ってしまっていたようだ。

和「･･･ちゃん？･･･Aちゃん？ﾄﾝﾄﾝ」

『･･･ん？』

遠くで聞こえていた和也の声がだんだん大きくなる。

和「寝てるとこごめんな？そろそろ検査行く準備しよっか。」

『ぅん･･････』

和「ん^^
じゃあね、ちょっとこの服に着替えてくれる？」

『･･･わかった。』

和「カーテン閉めるからね。着替え終わったら呼んでくれる？」

『ｺｸｯ･･･』

和也から渡されたのは手術の時などに着る病衣だった。

これを渡されたのは今回が初めてじゃない。

前にも一度やったことのある血管造影検査。

普通は局所麻酔をする時の注射の痛みくらいで、あまり痛みは感じない検査らしい。

しかし、検査室の雰囲気や空気間があまりにも怖くて緊張しすぎたのがいけなかったのか、麻酔があまり効かず、痛い思いをした記憶が蘇る。

和「Aちゃん？･･･着替えられた？」

『ふぇっ･･･涙』

和「カーテン開けるよ？」

なんとか着替えは済ませていたものの、前回の恐怖が蘇り、からだがガクガクと震えてその場から動けなくなってしまっていた。