山風ｸﾘﾆｯｸ３！ (ページ7)

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和「A～？座薬しないから顔あげて？」

『ほんっ･･･と？涙』

和「うん、しないからちょっとお話聞いて？」

『な、に･･･？涙』

和「あのね？お熱下げてあげないとツラいままだっていうのはお話したよね？」

『んっ、でもっ涙』

和「聞いて？座薬しないってお約束するから、注射ちゃんと頑張れる？」

『ふぇっ･･･ちゅ、しゃ･･･泣』

和「それでね？解熱剤の注射は痛みが強いから、お尻に打たなきゃならないのね？」

『そんなっ、聞いてないっ！絶対やだっ！泣』

和「腕にしたらかなり痛いよ？ね？恥ずかしいかもしれないけど、」

『やだっ！絶対やだっ！』

和「ちょ、A?!」

ベッドからいきなり起き上がったと思うと、目線を合わせるために屈んでいた和也を押し退けて診察室を出ていこうとした。

それを和也が後ろから抱き締める形で止めると、力なくもぞもぞと和也の腕のなかでもがいて、まだ逃げようと必死だ。

和「A？どうした？注射怖くなっちゃったか？撫」

『やぁっ･･･注射しないっ涙』

智「なぁにやってんの？笑」

和「あぁ･･･説得に応じず、逃げ出そうとしたのを捕獲したとこ笑」

智「無茶しないの、ね？」

『やぁだっ！離してっ涙』

和「やっぱお尻出すのに相当抵抗あるみたい。まぁ当たり前だけど；」

智「いつまで待っててもAちゃんの体力が持たないから、腕にやっちゃおっか･･･

痛いと思うんだけどなぁ；ﾎﾞｿｯ」

智は自分が用意した注射針の太さにため息が出た。

和「A、ほら腕出すよ～。」

『んっ！暴』

智「そのまま押さえててよ？絶対暴れるから･･･；」

和「覚悟してます；」

和也は嫌がるAを羽交い締めにするような形で抱き締め、そのすきに智が腕に消毒を施した。

智「まぁた細い腕して～；おいら、ものすごく罪悪感でいっぱいなんだけど･･･」

和「こればっかりはしょうがないですよ；早く終わらせてあげましょ。」

智は必要な処置だと自分に言い聞かせ、少しでも痛みが軽減されるよう処置に集中した。