山風ｸﾘﾆｯｸ３！ (ページ15)

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和「ちょっとベッド移ろうか。潤くん、よろしくね。」

潤はゆっくりAを抱き上げ、慎重に診察台に横にならせようとしたが、今度は吐き気をもよおし、顔が真っ青になってしまった。

潤「先生、Aちゃん吐き気でてる。」

『んっ･･･ﾊｧﾊｧ･･･涙』

和「ん、よしよし。我慢しないで出しちゃっていいからね～。

しばらく背中撫でてあげて？」

潤は嘔吐しても嘔吐物が喉に詰まらないような体勢をとらせると、吐き気が治まるよう背中を撫でたり、タッピングをした。

和「Aちゃん、どんなときに目眩や吐き気が起こるとかあります？」

母「急に立ったりだとか、振り返った時が多いみたいです。」

和「そうですか。吐き気が治まってから、採血して貧血の検査してみますが、一度耳鼻科で詳しく診てもらってもいいかもしれませんね。」

母「わかりました。」

和「今日は対症療法として、抗めまい薬と吐き気止めの点滴しておきましょう。」

母「あの･･･内服ではどうにかなりませんか？この子、針が苦手でいつも怖がっちゃって･･･」

和「お家での分は内服お出ししますが、今は吐き気が出てるので、内服しても嘔吐を誘発するだけだと思います。」

母「そうですか･･･」

和「出来る限りAちゃんの負担にならないように頑張りますんで^^
お母さんも声かけてあげてくださいね。」

潤「Aちゃん、落ち着いてきたよ。」

和「嘔吐あった？」

潤「いや、一度えずいたんだけど、少しの胃液と唾液だけだね。」

和「ラインとって採血と点滴するから、準備お願いしていい？あとホットタオルも。」

和也は潤に耳打ちして指示を出すと、潤に代わってAの目線に合わせ、背中を撫でた。

和「ちょっと楽になった？」

『ん～･･･きもちわるぃ･･･涙』

和「今から先生が、クラクラと気持ち悪いのバイバイしてあげるからね～撫」

『ぅん･･･ままぁ～？』

和「ママいるよ？
お母さん、Aちゃんのそばにいてあげてください^^」

目眩と吐き気が重なって不安なのだろう。

抱っこしてと手を伸ばすAちゃんを、母親がなんとかなだめている。

潤が奥から現れ、指示通りに準備されたシリンジや点滴パックを抱えていた。

和「潤くんは固定と声かけお願いします。ホットタオルで目隠ししてあげて？」

潤「了解^^」