山風ｸﾘﾆｯｸ３！ (ページ12)

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翔「ほら、抱っこで行こうなぁ～。力抜いててよ？」

あれほど嫌がっていたAだったが、翔に抱き上げられるとぎゅっと首にしがみつき、全く離れようとしない。

翔「ほら、まだゴロンするだけ、な？おてて離してみ？」

『いやぁ！泣』

和「あらら；寝てくれさえしないんだ；」

翔「ちょ、見てないで手伝って！」

和「Aちゃ～ん？ほら、和くん来たからもう大丈夫。先生首痛いって。おてて握っててあげるから、離してごらん？」

『いやぁ！検査やだぁ泣』

翔「嫌なの早くおしまいしようなぁ。にの、ごめん。俺もう一度手洗いしてくるわ；」

泣きじゃくるAを和也に任せて手洗いに向かった翔。

帰って来たときには、マスクと医療グローブも装着済みだった。

Aがその姿を見てしまう前にタオルで目隠しし、落ち着けるように胸元をトントンと叩きながら、耳元で声をかけ続けた。

翔「Aちゃん、落ち着いてきたかな。始めるから固定よろしく。」

和也はそのまま声かけ担当となり、他の看護師が足や腰など、動くと危ない箇所の固定に回った。

翔「Aちゃん、ちょっと服まくるね？足の付け根のとこ消毒するから、ひやっとするよ～。」

『んっんっ！涙』

和「びっくりした？消毒してるだけだからね～。」

翔「じゃあ検査が痛くならないようにおまじないするよ？･･･ﾁｸｯ」

『いっ！んーっ！んーっ！泣』

鼠径部に局所麻酔を打った瞬間、足を動かそうとするのを看護師２人で押さえに回る。

和「この注射頑張ったら、検査痛くないからな？もうちょっとの我慢だよ～。撫」

『いたいーっ！泣』

翔「はぁい、もうチックン終わったからね。からだの力抜いて～。」

和「ほぉら、もう終わった。お薬効くように、リラックスしてようね～。」

翔「今から管入れてくけど、痛かったら麻酔足すから言ってな？」

『やぁ！やめてっ、こぁい～泣』

和「大丈夫、大丈夫！翔先生が痛くないように頑張ってくれるから。Aちゃん、動いたら危ないからじっとしててな？」

翔「じゃあいくよ～。」

翔の一声で検査室の空気に緊張感が増し、カテーテル検査が開始された。

『いっ！んーっ！いだいっ、いだいっ！泣』

翔「やっぱ痛いか；麻酔追加するからなぁ～。」

麻酔が効きにくい体質のAは、やっぱり効きが悪かったようで、すぐに痛みを訴えて泣き出した。