Vol.174 裕side ページ24
今すぐ抱きしめたい。
ごめんって伝えたい。ほんまは大好きやって
愛してるって。
ずっと一緒におりたいって。
りんのあの顔と、あのことが脳裏を過った。
るなのためなんや。俺は
るなを守りたいだけなんや。
5人もるなもひどい目にあって、お店が
無くなったりなんてしたら…。
淳｢横山くん知り合い?｣
裕｢知らん｣
淳｢あ、知らん人なん〜笑彼女かと思たわ｣
裕｢なわけないやろ｣
悲しい顔させた無い。
こうするしかないんや。胸が痛いねん俺も。
智｢おいよこ!｣
店に入ろうとしたら、大野くんに呼び止められる。
智｢そんな言い方ねぇだろ!｣
和｢ちょ、大野さん!｣
智｢るながどんな思いしてんのかわかってんのかよ!｣
る｢まっておおちゃん!｣
るなが大野くんを止めて、俺の前に立った。
る｢脅されてるとかじゃないの?ほんとに、わたしのこと嫌い?｣
16年見てきてくれたんやもんな。
やっぱり分かるんかな。めっちゃ嬉しかった。
でもここで折れたら、傷つくのはるなやねん。
裕｢脅されてるとか、本気で言うてる?失礼なやつ嫌いやねん。2人とも行くで｣
智｢お前っ、なんだったんだよ!今までのは、なんだったんだよ!｣
る｢おおちゃん!もういいから!気持ち聞いて満足したから!攻撃すんな!｣
るな…お前はなんでそんなに優しい奴やねん。
攻撃されて当たり前やで。
こんな酷い突き放し方した俺なんて、
庇わんでええのに。
いっその事、俺のこと忘れてくれ。
るなは、大野くんや翔くんとおった方が
きっと幸せになれるんや。
俺みたいなやつなんか、忘れてくれてええ。
おん、辛いけどな。
俺はきっと忘れられへんけどな。
涙止まらへんもん。
淳｢横山くん…、なんかあったん?｣
照｢何もないわけないやろ…｣
裕｢何もないから。2人は気にしやんでええから｣
淳｢気になるけど笑ほら、使ってください!｣
淳太は、ハンカチを差し出してくれた。
裕｢ありがとな…｣
照｢俺らは何も聞かへん。心配やけど、でも我慢はせんといてくださいね｣
2人の優しさがめちゃくちゃ温かかった。
淳｢あの子のこと、嫌いやないんですよね｣
裕｢…おん｣
淳｢やっぱりなぁ。せやなかったらそんな泣かへんもんな｣
あっ、言葉にしたらもっと辛いわ。
後輩2人の前で泣きまくって、恥ずかったけど
2人がおってくれて、ちょっと嬉しかった。
るな。嫌いなんて嘘や。
ずっと変わらへん。るなのことを思い出さない
そんな日なんて1秒もないねん。
ほんまは大好きやねん。ただ守りたいねん。
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作者名：あらしちゃん | 作成日時：2020年2月18日 22時
