◇140◇ 低く、甘く… ページ46
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和「ずるいって…(笑)
そんなに暴れたら、落っこちちゃうでしょ？」
「だって・・・・・」
和「……ねぇ、そんなに俺に抱きしめられるのが嫌なの？」
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突然、声のトーンをいつもより少し低くして
甘く、頭の芯に響くように、問い掛けてくる和。
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・・・嫌なんかじゃ、ないよ。
全然、嫌なんかじゃない。
むしろ、すっごくドキドキして、少し嬉しいって思ってる。
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けど・・・だけどね。
このドキドキも、嬉しいって気持ちも、私だけが思ってるんじゃないかって。
和は遊びのつもりでやってて、私の反応を見て楽しんでるだけなんじゃないかって。
そう思うと、なんだか虚しくて……
切ない気持ちになるっていうか・・・
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でも、そんなこと、和には言えないから。
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「べ、別に……
嫌…じゃ、ない、けど……///」
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最初の方の、素直な気持ちだけを和に伝える……
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和「だったら、暴れないで、大人しくしてなさいよ」
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もうどうせ、バタバタ暴れてもがこうと思っても
身体は完全に、和にホールドされて動かせなくなってしまっているから
もう、抜け出すことは諦めて、和の言うとおり大人しく
入れていた体の力を抜いて、和に身を預けることにした。
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和「よしよし、いい子(笑)」
「・・・・・いじわる」
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抵抗しなくなった私の頭を、ポンポンと撫でながら笑っている和。
なんだか子ども扱いされたみたいで、恥ずかしくて、和の胸に顔を埋めていたら
ギュッとホールドされていた、腕と足の力が少しだけ抜けて
仰向けになっていた和が、ゆっくりと私ごと横向きになるように体を動かした。
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作者名：二宮 來侑 | 作成日時：2013年3月9日 12時
