◇138◇ 怪しい笑み ページ44
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「ほら、和。
いつまでも雅紀に文句言ってないで(笑)
起きて？ リビングルーム行こ？」
和「ん〜…
じゃ、起こして？」
「えっ？」
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“起こして”って言いながら、片手を私に向かって伸ばしてきた和。
これは・・・引っ張れってことですか？
もう、しょうがないなぁ〜
と、心の中で呟きながら、伸ばされた手を掴んだ時
一瞬、和がニヤリと怪しい笑みを浮かべて、私の手をグイッと引っ張った。
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「きゃぁっ!!」
和「おっと・・・」
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急に腕を引っ張られてバランスを崩した私は、
布団の上で仰向けに寝っころがっている和の上に
覆いかぶさるような、抱きつくような形で落っこちた。
そんな私を、華奢なくせに意外としっかりとした身体で、
ギュッと抱きとめる和。
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ビックリしたぁ〜・・・
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・・・って、そうじゃなくて!!
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い、今……私たちどうなってる？
和が私の下にいて、その上に私が乗ってて・・・
オマケに抱きしめられてる……よね？
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うっわぁ〜///
これ、色んな意味でヤバいって!!///
ど、どうしよ……
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“とりあえず離れなきゃ”
じゃないと、ドクドクと脈打つ鼓動は
どんどんと動きを速めて行って壊れちゃいそうだし、
もし、部屋に翔が戻って来ちゃったりなんかしたら
絶対に変な誤解を招くことになる。
そう思った私は、和の胸を押して離れようと試みるけど
ギュッと和が私を抱きしめる腕に力を入れてしまって離れさせてくれない・・・
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作者名：二宮 來侑 | 作成日時：2013年3月9日 12時
