◇130◇ 逃げるように… ページ35
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和の優しい声に柔らかい笑顔に、思わず“普通じゃない？”って聞いちゃった私。
このことについては聞くつもりなんてなかったのに……
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でも、聞いたくせに、和の綺麗な瞳を見ていると
全てを見透かされそうな気がして・・・
返答を聞くのがやっぱり怖くて・・・
和のまっすぐな瞳から逃げるように視線を下へ落とした。
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・・・だけど、いくら待っても和は何も言ってくれなくて。
ただ感じるのは和からの視線だけ……
この自分で作ってしまった、何とも言えない微妙な空気感に
先に耐えられなくなった私は、なんとか話題を変えようと思い
必死に心の中にある恐怖心を振り払って、
普段通りを装いながら、再び和の方に視線を向けた。
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「っ…ごめんね。なんでもない(笑)
…それより、私も聞いていい？」
和「…うん？」
「和…ここに来るまでの間に何があったの？」
和「…？」
「和のこと、翔がここまで連れてきてくれたんだよ。」
和「しょーさんが!?」
「うん。 止まってる自転車に突っ込んで、
倒れてる和をたまたま見つけたみたいで。」
和「えっ……」
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私がそう言うと和は「うーん…」とここに来るまでの記憶を
辿るように思い出していって、
何かを思い出したのか「あっ…」と小さく声を漏らした。
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◇131◇ 酔っぱらった原因→←◇129◇ 不安そうな、怯えたような表情 *Kazunari*
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作者名：二宮 來侑 | 作成日時：2013年3月9日 12時
