◇120◇ 自転車男 *Sho* ページ25
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『ありがとうございました』
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休みの日のお昼過ぎ。
暇だったからちょっと近くのコンビニまで行って、雑誌と飲み物を買った。
さっき来た道をのんびり歩いて戻る…
その時、
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――――――――――ガッシャーン!!
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ものすごい勢いで、何かが倒れる音が大音量で聞こえてきて
周りに居た人たち皆の視線が、その音の方へと向けられた。
俺も気になって、音のした方へ視線を向ける…
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翔「…あ、れ？」
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そこには、綺麗に並べられていた自転車を、見事に将棋倒しにして
その一番先頭で、倒れた自転車に覆いかぶさるように倒れている一人の男。
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だけど、なんかあの男、どっかで見たことあるような・・・
誰だっけ…？
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俺のいる場所からじゃ、いまいち顔がよく見えなくて、
でも、あの倒れている自転車男が誰なのか無性に気になった俺は、
彼を見て何やらコソコソと話しているおばさんたちを横目に、
彼の傍まで行ってみることにした。
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翔「………ぁ」
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彼との距離が２mくらいになった時、やっと顔がハッキリ見えて
誰なのかが分かった。
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・・・コイツ、この間本屋で会ったAの同級生…
えーっと・・・たしか“和”…だっけ？
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っていうか、コイツこんなとこで何やってんだ？
さっきからピクリとも動かないし…
…もしかして、死んでる？
いや、さすがにそれはないか(笑)
でも、意識失ってる可能性はあるよな…
さっきの音からして、かなりの勢いで突っ込んだと思われるし；
つーか、並んでる自転車に突っ込むって、どうなってんだよコイツ(笑)
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作者名：二宮 來侑 | 作成日時：2013年3月9日 12時
