◇108◇ どう思うの？ ページ12
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「じゃあ、私こっちだから」
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一旦足を止めて、方向が変わる２人に声をかける。
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雅「えっ？ 送ってくよ？
もう夜だし、危ないじゃん？」
「ふふ、ありがとう。
でも、ここからすぐだから大丈夫だよ？」
雅「そりゃ、すぐっちゃすぐだけど…」
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笑顔で「大丈夫」って言う私に、心配そうな顔をする雅紀。
本当、優しいよね…
本当はね？
その雅紀の優しいご好意に甘えて、家まで送ってもらいたいけど…
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でも・・・
まだ、私が施設に住んでること和には話せてないからさ。
送ってもらうわけにはいかないんだよね・・・
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「でしょ？
大丈夫。 家に着いたら、メール入れるから。ね？」
雅「うん、分かった。
じゃあ気を付けてね？」
「ありがとう。
雅紀たちも気を付けてね」
和「うん。 じゃ、また明日」
「また明日」
雅「おやすみ〜」
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お互い手をヒラヒラさせて、和と雅紀、私はそれぞれの方向へと歩き出した。
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今回はなんとか口実をつけて、この場と雅紀をやり過ごしたけど…
勘のいい和なら、私の異変や違和感にもう気づいてるかもしれない。
施設に住んでること、ちゃんと和に話さなきゃいけなくなる日が来るのは、
時間の問題かもな・・・
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もし・・・
私が施設に住んでることを、和が知ったら。
和はどう思うのかな？
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「それがどうしたの？」って
「それくらいで俺が変わると思った？」って笑ってくれる？
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それとも・・・
あの人みたいに…… 叶夜くんみたいに……
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「普通じゃない」って私から離れていく？
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和は・・・どう思うの？
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・・・なんて、答えの見つからない疑問に、
自問自答を繰り返しながら、施設までの道を歩いた。
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◇109◇ 素直に直接 *Kazunari*→←◇107◇ 立場逆転
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作者名：二宮 來侑 | 作成日時：2013年3月9日 12時
