Before Debut ページ16
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その日は突然やってきた。
真夏だっていうのに大雨が降った日。
低気圧からくる偏頭痛に悩まされつつもレッスンをこなしていた午前中。
携帯に見知らぬ番号からの着信があって。
窓の外で打ち付けられる雨の音に気を取られながら、電話をとった。
「もしもし。」
「
「はい、そうですけど。」
「お母様が仕事先で倒れられて…、そのまま……。」
＿＿＿＿＿＿＿＿お亡くなりになりました
やけに耳に響いた言葉。
窓越しの雨音。
自分の心臓の音。
その全てがうるさいくらい、聞こえてくる。
俺にとって母さんは、唯一の家族で。
その母さんが死んだという事実は心に重くのしかかり、上手く処理できない。
今は母さんの元へ行かなきゃ。
その一心で、レッスンを途中で抜け出して大雨でずぶ濡れになるのもお構いなしに病院まで走る。
20分くらいだったか、それくらいしか経っていないはずなのに俺には何十時間も過ぎてしまったように感じられる。
「はぁ、はぁ、はぁ。」
切れる息を整え、ようやく辿り着いた場所は所謂霊安室と呼ばれる部屋で、もう母さんの顔は白い布で覆われている。
「母…さ……ん。」
俺の呟きが霊安室に静かに消えた。
俺の立つ地面に雨水がポツポツと滴り落ちて、小さな水溜まりができる。
母さんを前にして、俺は泣けなかった。
感情は溢れてくるはずなのに涙は出ない。
それを嘲笑うかのような水溜まりと外の大雨。
でもきっと、涙を流してしまえば俺は母さんの死を認めなければ行けなくなる。
それをしてしまえば、俺は一人になるんだ。
俺は、孤独になっちゃうんだ。
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いちご - 早く続きがみたいです。更新されるの待っています。楽しみです! (1月28日 11時) (
レス) @page31 id: 57ed95f275 (このIDを非表示/違反報告)
銀華(プロフ) - ハルトさん» コメントありがとうございます。今後の展開を楽しみにして頂けると、大変嬉しいです😌 (2022年4月7日 4時) (レス) id: 8ce225486e (このIDを非表示/違反報告)
ハルト(プロフ) - 初めまして！拝見させていただきました！嵐さんで男主の作品は少ないので久々に見れて嬉しいです(^^)!!今後も期待しております！ (2022年2月9日 0時) (レス) @page7 id: 25387976cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀華 | 作成日時：2022年1月27日 0時
