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花火大会当日。
どんな髪型にしようかな。
今日はママが仕事休みやから、メイクもしてもらおうかな。
ウキウキ気分で過ごしていた、お昼が過ぎたころ。
携帯が鳴って、画面を見ると【神ちゃん】の文字。
「もしもし？どうしたん」
『A！ほんっまにごめん！』
電話に出た瞬間、神ちゃんのそんな声が聞こえた。
「？？？」
「ごめんってどういうこと？」
『今日、行かれへん』
「え....」
目の前が真っ暗になった気がした。
『妹が熱出てもうて。今日に限ってオカン夜までおらへんねん』
神ちゃんには年の離れた妹がいる。
確か今年小学3年生になるくらいだったはず。
『朝から調子悪くて、様子見てたらいけるかなおもてんけどやっぱ無理っぽくて。普通に夏風邪引いてもうたみたいやわ』
「そっか....それならしゃあないね」
『ごめんな、A。ほんまにごめん』
電話からでも神ちゃんが本当に申し訳なさそうな顔をしているのが分かる。
「ううん、全然いけるよ！」
「そんなこともあるよ、しゃあない」
『この埋め合わせは絶対にするから！』
「ありがと、じゃあ切るな。お大事にね」
『ほんまにごめん、ありがとう』
電話を切って、目の前に掛けられた浴衣を見る。
はあ.....
確かにしゃあないことやけど、
やっぱりちょっと、いや結構へこむ。
“A！今日花火大会行くんやろ？”
下からママが呼びかける声が聞こえる。
「うん、でも....」
そこまで言って私は言葉を途切らせた。
神ちゃんと行かれへんのは残念やけど、せっかく買った浴衣。
行くのは地元のお祭りやし、行けば中学の時の友だちに会えるかもせえへん。
“ん？なんてー？行くんやったらはよ準備せんと！”
浴衣を持って、下に降りた。
「うん、そうやね。着替えるの手伝って！」
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作者名：あさひ | 作成日時：2018年8月30日 18時
