不器用さんの恋のゆくえ。 (ページ18)

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すれ違ってから少し歩いた後、

しげが肩から手を離した。

『あいつに会って嫌なんは分かるけどあからさまに嫌そうな反応すんなよ』

「え、ああ.....ごめん」

『あいつ、またお前に声掛けようとしとったな。

反応するからそうなるんやぞ』

私の顔を覗き込んでそう言った。

その目は私を心配しているように見えた。

もしかして、助けてくれたん？

『てかほんまなんちゅう顔しとんねん！』

そう言いながら私の頬をつねった。

「痛い痛い！」

『はは、大袈裟やねん』

しげは笑いながらスタスタと歩いていってしまった。

なんや、いつもと一緒やん。

やっぱりそんなことはないんかな。

それでもちゃんと言うべきことは言っとかないと。

「しげ、ありがと」

『ん？何か言うたか？』

絶対聞こえてるやん。

もう1回"ありがとう"を言わせたいん？

いいや、その手には乗らんもんね。

「ううん、何も」

『そうか？それやったらはよ行こ！』

「え、ちょっと待ってよ！」

私は急に走り出したしげを追いかけた。