不器用さんの恋のゆくえ。 (ページ14)

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重岡side

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「“青高、俺も受けるねん”って。

私は冗談やと思ってた。

彼、頭は良いからもっと偏差値上の高校を受けるんやろうなって。

やけど卒業式の日に言われた。

“俺、青高国際科合格したで”って。

でも唯一の救いは、彼が受かったのが国際科やったってこと。

ほら、国際科の教室って遠いやん。

やから、ほとんど会うことはないやろうなって思ってたのに........っ」

『もうええぞ、A』

俺は耐えられなくなって、Aの話を遮った。

もしかしたら、元カレのせいでAは男と話すのに少なからずトラウマがあったんかもせえへん。

それやのに俺は......

そりゃ俺に対する印象も悪くなるよな。

『ごめん、まさかそんなことがあったとは思わんくて』

「ううん、でも大丈夫やから！

私もだいぶ慣れてきたし」

『大丈夫ちゃうやろ、強がんな。

お前委員会の間ずーっと濵ちゃんの方向いて、向こうに目線も向けんかった。

それやのに顔は強ばってたし。

それに大丈夫やったらなんで今泣いてんねん』

「別に、っ、泣いてないし....っ」

言葉とは裏腹に、Aのすすり泣く声はだんだんと大きくなった。

こんな時、どうしてあげるのが正解なんや？

後ろから抱きしめる？

いや、今のAにそれが効果的とは思われへん。

やけど、このまま泣いているAをただ見つめているだけなのもしんどい。

俺は悩んだ挙句、背中をさすることしかできなかった。