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重岡side
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来たのは家の近くの公園。
ベンチに腰掛けた時、先に話し出したのはAだった。
「さっきの人、元カレやねん」
『元カレ?』
「うん、中学の時の。
とは言っても全然好きじゃなかったから1ヶ月で別れたんやけど」
『全然好きじゃないって、なんで付き合ったねん』
「私やって、付き合う気は全然無かった。
だって私はずっと神ちゃんが好きやから。
やから告白された時、"私好きな人おるからムリ"って言ったのに、
“大丈夫、絶対好きやと思わせるから”って。
“好きにならんかったら、1ヶ月で別れてもいいから”って言われて。
元々イメージもそんなに悪くなかったし、1ヶ月くらいならいっかと思って付き合った私がアホやった。
結局好きにならんくって、1ヶ月で別れた」
『アホやったって、なんで?』
「別れてからも帰り道よく会ったりした。
私はたまたま同じになってるんやと思ってたけど、
後から聞いたら彼はとっくに部活は辞めてて、
私の部活が終わるのを待って偶然を装って会ってたらしいねん。
それを聞いてから私は怖くなって彼との連絡手段を全部絶った。
なのにある日突然、“A、青高受けるんやろ?”って言われて。
一言も志望校については言ったことないのに」
そこまで言った時、Aは少し声を震わせた。
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作者名:あさひ | 作成日時:2018年8月30日 18時