表情の裏の感情＊N＊ (ページ28)

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あれから金曜日の歓迎会の為に、怒涛の仕事量でみんな追われていた。

あっという間に金曜日、そして終業時間まであと5分。

みんなパソコンの電源を切ったり、用意をし始めている。

私もパソコンの電源を落として、準備をする。

歓迎会の場所は会社を出て5分程の近くのイタリアンレストランを借りているらしいので、仕事が終わったらそのまま個人で集合することになっている。

薄手のコートを羽織って、藤野さんに「お先に失礼します」と声をかけて会社を出る。

5分程歩いて、レストランに着くとまだ半分も来てなくて、割と席が空いていた。

とりあえず誰もいないテーブルに座る。

すると幹事らしき人がウェルカムドリンクのようなグラスを持ってきて、私の席に置いてくれた。

それをちびちび飲んでいると、いつのまにか席がいっぱいになってきていて、私の席にも隣の部署の二人組さんが座ってきた。

まだ寒いのに、膝を出して胸元ががっぽり空いたワンピースを着ているお隣さん。

お化粧もばっちりといった感じで、すごいな～なんて思っていたら藤野さんもやって来た。

でも藤野さんは幹事の人のお手伝いを始めていた。

私も手伝えば良かった…。

居心地が悪くてしょうがない。

すると奥の席で既にお酒を飲み始めていた大野課長が助け舟を出してくれた。

智「Aさぁ～ん！氷持って来てくんなーい？？」

私はガタガタとイスを鳴らして、「は、はい！」と少し大きめに声を出して氷を取りにいく。

カウンター席の方に行き、氷をくださいと伝えると少しお待ちくださいと言われたので、ぼーっと突っ立ったまま待機する。

１分ほど待ってるとどうぞと言って氷の入った入れ物を受け取る。

それを持って大野課長とたくさんの後輩さんのとこへ向かった。