ルリトウワタ (ページ27)

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智「そーだ、Aちゃんの絵、見せてもらってもいい？？」

私「あっ、はい…」

まだサラダをほうばっている私の隣にきて、絵を見はじめる。

智「おぉ、Aちゃんらしいや。優しいタッチだね。」

まじまじと絵を見つめる。

趣味で書いているだけなのに、こんな風に言ってもらうのはなんだかくすぐったい。

私「ただの趣味ですからね、好きなように描いてるだけですよ…」

智「うん、それが良く絵に出てる。ふふっ、なんだかAちゃんの絵見てたら意欲出てきた♫」

なんだかとても楽しそうだ。

私はまだこんなに緊張しているのに。

私「大野さんずるいです…。」

口が勝手に動く。

智「ん？どした？？」

私「わたしこんなに緊張してるのに…、なんか大野さん余裕があってずるい…」

わたしばかり慌てちゃってなんだか切ない。

智「んー、Aちゃん、手かして？」

掌を差し出す。

すると手首を大野さんに掴まれて、大野さんの胸につけられる。

"ドクンッ、ドクンッ"

私「あっ…」

私と同じだ。

同じくらいドキドキしてる。

智「おれだってドキドキしてるよ？？正直言うとね、こんなんなるの初めてなの…」

少し耳を赤くしながら言う。

私「おおのさん…」

智「もう！！Aちゃん分かった？？絵描くよ！！」

そしてベランダの側に行き、絵を描き始めた。

私も食事を終えてから鉛筆を取り出し絵を描き始める。

ベランダの側で少し猫背な姿で絵を描いてる大野さん。

その横に私も行く。