・fin ページ44
知念「ありがとね、今日来てくれて」
山田「ううん、楽しかった。」
有岡「うん。じゃあね。」
そう、皆は別々の方向に歩いていく。
俺も、ただ一人、暗い道の中でこの間彼と話したことを思い出していた。
この間は彼の方から誘われ、飲み屋へと向かった。
「ねぇ？俺、やっぱ好きだよ」
「……」
「諦めないよ。」
「諦めてほしいけどね」
「まぁ、今は何もしないけど」
「…皆に危害が加わらないならそれで良いんじゃない？」
「そこは保証できないけど」
「はは、＿＿＿＿＿＿らしいわ」
「ほんっと、人生って何が起こるかわからないよね。」
「一人に人生を狂わされたり？」
「それもある」
「好きな人出来たけど目移りしちゃったり？」
「はは、何でも知ってるね。」
乾いた笑いだった。
「そっちこそ。てかさ、確認したいことがあるんだけど。
あの時嘘吐きまくってたじゃん、？」
「えぇ？なんのことかな」
「ありちねの話。なんとなく知ってたけど山田涼介と高木雄也を助けたかった？…違うよね。
"ただ、あの状況を楽しんでただけ"でしょ」
「はなまるだいせいかい」
「なんだそれ」
「いや、この間読んだ本にあったの」
「…あそ。てか、合ってたんだ」
「合ってるね」
「"伊野尾ちゃん"もサイコパスだね」
「"山田"こそ」
暗闇の中、ふたりは小さく笑った。その笑いに気づく者は、メンバーは勿論、誰もいなかった。
続く
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