・のちに。 ページ38
あの日、山田が皆と話をした日。メンバー揃って社長のところへ行った。
社長とスタッフさん、マネージャーに本当のことを言った後、山田は、
「許してもらえなくて良い。許してもらえないなら辞める。」
そう言ったが、大ちゃんと知念が庇いまくって社長達は苦笑いしながら、「体調不良でいいんだな、」そう言った。
「僕ら、勝ったね。」
「そうだね、」
「ありがとう」
「気にしないで、」
「気にしてないから」
そんな小さな彼ら3人を見て、俺らはホッと息をつく。
「帰ろう。」
そんな言葉とともに解散する。はずだった。
「裕翔、今日、あいてる…?」
「空いてるよ、」
そんな言葉に山田はぱあっと顔を輝かせて、
「今日、のみいかない?」
と聞いた。
「いいよ。どこ、いこっか。」
「それは後できめよ!」
「おれらもいっていい?」
「俺も、」
そう言ってメンバーの大半が集まってくる。
この団体にいないのは、先にかえった知念と、大ちゃん。そして近くで俺らに背を向けている高木くんだった。
「高木くん?高木くんはいかない?」
「うん……、俺はいいかな、。」
「どうせ申し訳ない〜っとか思ってるんでしょ、たかぎぃ〜、いこ。」
「ほら、愛しの愛しの伊野尾が言ってんぞ、」
「じゃあ、行こうかな、」
そうやって笑う俺ら。
ここに大ちゃんと知念はいないけど、彼らも彼らで色々話すことがあるんだと思う。
でも、あえて俺は考えないでおくね。
二人だけで話すことは、。
俺らには切れない絆みたいなのがある二人にしか、今回の当事者である二人にしか、わかり合えないことがあると思うから。
「裕翔?いこう?」
「あっ、うんっ」
そう言って明日、メンバー全員で笑い合えれば。それでいい。それでいいんだ。なにがあったってね。
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