ずっと、ずっと俺だけに。 (ページ35)

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ガチャり、そう音を鳴らして手錠は外れた。

大ちゃんの顔を見ると驚いたように俺を見つめていた。

　

有岡「山田……？どしたの？なんの心変わり？」

山田「……ごめんね。」

有岡「全然分かんないや」

そう言って笑う大ちゃんは少し戸惑いながら自分の手を見つめる。

山田「知念と大ちゃんと話しててなんか、なんて言っていいかわかんないけど、……心動かされたっていうか。あぁ、俺は間違ってたんだなぁって。」

有岡「……、うん。でもね、俺、ちょっと嬉しかったよ。」

ふわり、と笑う大ちゃんは太陽のようだった。

有岡「だって山田、こんなにも、法を犯してまでも一緒にいたいって思ってくれてるんでしょう？」

山田「……うん」

有岡「すっごく愛されてるじゃん。俺。」

どこまで優しくて、どこまで馬鹿なのだろうか、この人は。

山田「そんなこと言われたらさ、俺、何するかわかんないよ？」

有岡「ふふふ、だいじょーぶ。山田は優しいから。ひどいことはしないよ」

その大ちゃんの目は俺の心を見透かすかのようだった。そんな彼に少し苛立って、

有岡「むっー！！いたひ、やめろっ」

ぷにぷにのほっぺを引っ張ってやった。

山田「じゃあ、行こっか。」

有岡「どこに……？」

山田「俺らの唯一無二の人たちのもとへ。」

首を傾げている大ちゃんの手を掴んで、ドアを開けた。