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山田「ただいま、」
誰も返事をしてくれない部屋に適当な挨拶を返す。
ｶﾞﾁｬ
有岡「おか…えり、？」
山田「どうしたの？」
少し首をかしげた大ちゃんにそう問うとなんでもない、と笑う。
有岡「なんか、雰囲気よくなったよ、山田。」
今度はこちらが首をかしげる番。
有岡「なんかよく分からないけどね？すっごく優しくなったかんじ。」
山田「…そう。」
有岡「うん。」
そう優しく笑う大ちゃんに、何回か口にした言葉が溢れる。
山田「ねぇ、何で？」
有岡「ん？どゆこと？」
山田「なんで、そんな優しいの？俺、犯罪紛いのことしてるよね。前みたいに怯えないの？怒らないの？嫌いにならないの？」
そう言うと犯罪紛いじゃなくて犯罪な、と笑われた。ひとしきり笑ったあと、大ちゃんは真面目な顔をしてこう言った。
有岡「メンバーだから。一瞬嫌いになったんだけどね。俺に悪かったところがあったのかもしれないし、って思うと嫌いになれなくて。」
大ちゃんは、真面目なことを真面目な顔で語っていた。いつもの大ちゃんじゃなかった。
……あれ、いつもの大ちゃんってなんだっけ……。
やさしいえがおでわらうひと。
いじられまくるほわっとしたひと。
おれにおびえるひと。
ちねんとわらいあうひと。
どれが本当の大ちゃん、？
そう考えているうちに大ちゃんはまた話続ける。
有岡「まぁ、ここで"めっちゃ優しい太陽の笑顔の大ちゃんだから"とか叫べたらかっこよかったんだけどな。」
そう苦笑いする大ちゃんは、少し、本当に少しだけ、
山田「格好いい、よ、。」
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