・高木side ページ28
山田「ごめん、雄也。こっち来て。」
高木「……うん。」
皆を俺んちの中にいれると案の定山田の目が怒りを含みまくってて。
知念の心配げな顔を横目に見ながら山田の後ろについていく。
ﾊﾞﾀﾝ
俺が寝室のドアを閉めたとたんに話しかけてくる山田。
山田「ねぇ。知念は隠せたって言ったよね」
高木「、…」
山田「俺、雄也のためを思って言ってるんだよ？」
俺の、ため？
高木「そんなわけねーだろ」
山田「…」
高木「自分のためだろ？愛しの愛しの有岡くんとずーっと一緒にいるための。」
山田「ふっ…、そうかもね」
山田はびびるとか、驚くとかではなく、笑った。俺をけなすかのように。
まるで…、次の言葉を待ってるような。
高木「俺は、知念の言葉を聞いて諦めた。」
山田「なにを？」
高木「あいつは、"Hey! Say! JUMPも、大貴も、涼介も、雄也も……、皆大好きだから。"
そう、言ったんだ。」
さっきの知念の言葉に、嘘はなかったように思える。俺を許してた、そんな雰囲気が漂っていた。
山田「あーあ、結局雄也も使えなかったなぁ…。」
山田にとって俺が使えない駒だっていうのはわかってる。
山田「おれさ、伊野尾ちゃんにいったの。
"皆を苦しめたくなかったら大ちゃんのことだけは言わないでね、知念はどーでもいいけど"
って。まぁ、結局言っちゃったみたいだけどー、」
は……？
山田「俺、昨日四人で話したとき雄也に不信感いだいちゃって。知念のことがバレそうになったらどうするのかなぁって。」
"気になっちゃったから、今日ここに来たの"
山田はそう、怪しげに笑って皆のもとへ帰っていった。
俺は…、山田の手の中で転がされていたのか、？
山田の不可解な言葉に大きな石のような不安が心に溜まった。
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