好き、と言える俺に。 (ページ8)

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山田「どう？ここおいしーでしょ」

知念「うんっ、」

そう幸せそうに笑う知念を見て、居酒屋だけど連れてきてよかったな、と思う。

知念「やっぱこーゆーのは奢ってもらうから美味しいんだよねぇ」

…前言撤回。

連れてこなきゃよかった。

山田「割と高いんだけど、ここ」

その俺の言葉ににこにこと笑いながら箸を進める知念。

山田「聞こえてないふりしてるだろ」

知念「えぇ〜っ？なにか言った？さ・い・ふっ」

そう笑う小悪魔は、いや悪魔は俺の財布のことを気にせず次は何にしよっかなー、とメニュー表を開いている。

悪魔だけど少し楽しそうで幸せそうだからまぁ、いいのだと思う。

山田「俺にも頼ませろよ」

知念「んー、？メニュー表ね、はいっ。

…あっ、納豆あるよ！すいませーん、納豆、白米…それと焼き鳥で。涼介は？なにかいる？」

山田「…卵焼きで」

俺はそう込み上げる怒りとともに店員さんに頼む。そんな怒りに気付いたのか、店員さんは引いた顔で奥へと去っていった。

知念「なにおこってるの？」

山田「ニヤニヤが隠しきれてねぇよ、気付いてんだろ」

知念「えぇー、？なんだろー、涼介が納豆嫌いなこととかは関係ないでしょー？ほんとわかんないなー」ﾆｺ

ニコニコと笑う知念。

悪魔だ……、まぁ、そこが可愛くて好きだったのかも。

あくまで好きだった、だけど。