好き、と言える俺に。 (ページ31)

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山田「これさー、通りすがりにファンの子とかいたら悲鳴もんだよね」

知念「んふふ、熱愛とか出ちゃうね」

山田「流石にカメラあるから大丈夫だろ……」

周りには、僕らのことをチラチラと見てくる人が何人かいる。

それは、ロケをやっているという興味からなのか、男二人が手を繋いで歩いていることへの驚きだろうか、。

山田「みんなの知念を俺は独占できちゃってるのね」

そう言いながらふふふ、なんて、幸せそうに笑わないでよ。

勘違い、しちゃうじゃん……

そう、思ってるのに、

知念「僕を独占できるなんて滅多にない体験だからね、堪能しときなよ、」

自分の想いを口に出せないんだ。

…思ってもいないことを言ってしまう。

でも、それが天邪鬼な僕だから。

りょーすけ。許してね、？

山田「そうだね、ファンの子も、メンバーも滅多に体験できないもん」

どーだ、羨ましいだろっ

と、画面の奥にしかいない視聴者にマウントをとっていく涼介。

その顔、姿を見て、

自分は涼介に甘えてるんだ、ということがよくわかる。

僕のこの天邪鬼な感じも、毒舌で小悪魔と呼ばれるこの言葉の使い方も。

"涼介なら許してくれる"

"涼介なら面白くしてくれる"

って。

だから、それを信じてるから、わかってるから。

もう少ししたら伝えるね？

もう一度、

僕のほんとの気持ちを、嘘に乗せて。