【 113 】 ページ34
.
「えっ、ええっと…」
突然のことに言葉が出てこなくて、でも何か言わなきゃと思って、開いた口がパクパクと動いた。
一気に顔が熱くなる。
「…大野さん、いきなり何を…」
智「そうなんでしょ？」
リーダーと目が合う。
その目はまっすぐに私を見つめていた。
力強い視線に、私も目がそらせなくなる。
瞬きをすることすら許されないんじゃないか、という錯覚に陥りそうになるほどのリーダーの瞳は、「おいらは知ってるよ」と言っている気がした。
「…はい。」
智「やっぱりね。」
この空気に耐えきれなくて、つい認めてしまった。
私の返事を聞いて、リーダーは満足そうに微笑んだ。
そうだよね〜、やっぱりそうだよね〜、なんて口にしながら、うんうんと頷く。
なんか、すごく嬉しそうなんですけど…
「あの、どうして分かったんですか？」
智「どうしてって、Aちゃんのこと見てれば分かるよ。あんなに分かりやすいんだもん。」
すると、何を思い出したのか、くすくすと笑い出した。
…私って、そんなに分かりやすいのかな？
ってか、リーダーは何を思い出して笑ってるのよ！
いったい私は何をしたの!?
なんて頭の中で考えてみても、思い当たる節はないんだけど。
智「ねえ、Aちゃん。」
「はい。」
智「おいらから一つアドバイス。」
「アドバイス、ですか？」
智「自分の気持ちを大事にしてね。」
…はい？
「あの…なんですか、いきなり…」
そんなことを言われても、何を言っているのか分からない。
いったい何の話？
智「ふふっ、いいからいいから。」
リーダーは私の疑問に答えることなく、あの独特の笑い方で笑って、それ以上のことは何も言わなかった。
リーダーにおやすみを言って、自分の部屋に戻っても、私の頭の中にはさっきの言葉が浮かびっぱなし。
話の流れから考えると、リーダーが言う自分の気持ちっていうのは、翔ちゃんが好きってことだと思う。
その気持ちを大事に、って…
大事にするもなにも、私は翔ちゃんが好きで、嵐が大好き。
それはきっとずっと変わらない。
それなのに“大事にする”って、いったいリーダーは何を言いたいんだろう。
いくら考えても私には分からなくて、まだなんとなくモヤモヤが残るまま、ベッドで目を閉じた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうか - もう、続きは無いのでしょうか？(´･ω･`) (2014年11月25日 18時) (
レス) id: 9142e7f7a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - めっちゃおもろいです！更新頑張ってください！早く続きが読みたくて夜も眠れません！笑 (2014年11月24日 19時) (レス) id: 9142e7f7a4 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - はい！もう何回も繰り返し読んでます！続き楽しみにしてます！ (2013年9月13日 16時) (レス) id: 65a6fbf4b9 (このIDを非表示/違反報告)
悠梨(プロフ) - おはなさん» おはなｻﾏ、ありがとうございます!!嵐さんとの恋物語は、こんな感じでじわじわと進んでいくと思いますよ。これからも応援よろしくお願いします！ (2013年9月13日 16時) (携帯から) (レス) id: 896a42cc55 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - 何か恋の入口って感じが可愛い☆(ゝω・)v (2013年9月13日 7時) (レス) id: 65a6fbf4b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：悠梨 | 作成日時：2013年5月18日 18時
