月が綺麗ですね。【短編集】Part2

晴れのち曇り時々雨 01【OS】 ページ10

大野 side









「大野さん、起きて」









体を揺さぶられながら、名前を呼ばれて


ふわふわしていた意識から覚醒する。




てっきりニノに起こされたと思ったのに、おれの顔を覗き込んでいたのは翔くんだった。









「あれ…翔、ちゃん」


「もうすぐ収録始まるって」


「あぁ〜……ありがと。３人は？」


「ん？トイレだよ」









あの歳になって連れションとか仲良いよなー、アイツら(笑)


ふはは、と笑っている翔くんはいつも通りだけど、ひとつだけ気になることが。









「大野さん？おーい、起きてる？」


「…おう、起きてるよ」


「眠そう〜、本番は寝ないでね？(笑)」









…大野さんって、呼び方。


オモテでもウラでも、おれのことを大野さんって呼ぶようになった翔くん。




智くんっていう、あの呼び方。


翔くんしか呼ばない、あのトクベツな呼び方がおれは好きなのに。




そんなことを思っていると、トイレに行っていた３人が戻って来て


当たり前のように、ニノが隣に座った。









「なーにヘコんだ顔してんすか」


「ヘコんでるように見える？」


「ワタシにはね。そう見えますよ」









何年一緒にいると思ってるんですか、全く、とニノがいつもみたいに毒づく。


そんなおれらを見て、相葉ちゃんと松潤がまたか、というような顔をする。


当の翔くんは、微笑んでいる。




…傍から見たら、いつも通りの、仲のいい嵐に見えるかもしれないけど


おれは、翔くんが気になってしょうがない。




だっておれは、翔くんが好きだから。




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