月が綺麗ですね。【短編集】Part2

オモテとウラ 01【OS】 ページ4

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―智夏様 リクエスト―




大野 side









「あら、大野さん。珍しいじゃん」









前の仕事が思ってたより早く終わって、そのままの足でテレビ局に来た。


一番乗りだと思ってたのに、楽屋のソファーには翔くんの姿が。









「うん…ちょっと早く終わったからそのまま来ちゃった」


「ふふ、そっか」









そういえば、二人になるのも久しぶりかも。


真剣な顔で新聞を読んでいる翔くんを見ながら、そんなことを考える。




あぁ、触りたい…。




ポツリとそんな欲求が顔を出して、ハッとする。


これじゃ、ただのヘンタイじゃん…(笑)




でもなぁ…。









「ねぇ、翔くん。読み終わった？」


「んー？あとちょっとかな」









それなら、いっか。


本当に大事なところを読んでる時の翔くんは生返事しかしないから、大丈夫だよね。




ぴったり翔くんに寄り添うようにして移動すると、翔くんがぴくりと震える。


そんな翔くんの頬に、わざと音を立ててキスを落とした。









「わっ！何すんの！」


「翔くん、ちゅーしたい」


「は？！ダメダメ！ここどこだと思ってんの！」


「楽屋だけど誰もいないじゃん」


「ダメ！３人来るかもしんないでしょ！」









あーぁ、もう翔くんたら。


顔赤いから説得力ないんですけど。




でもこれ以上無理強いすると怒っちゃうから、やめとくか。


ちぇっ、と思いながら、翔くんから離れようとすると









「え、あ…智くん？そっち…行っちゃうの？」









なーんて上目遣いで言ってきた。


…ホントにもう。コレで無意識なんだから困るよね。


いじめたくなっちゃう。




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