月が綺麗ですね。【短編集】Part2

プレゼント 03 ページ24

二宮 side









そう言えば、恋人になって初めてのクリスマスでも、同じことをしてもらった。




あの時は今程は忙しくなかったけど、それでも当時の俺にとっては結構ギリギリで


当日会うために頑張って仕事をしていたら、とうとう用意出来ないまま誕生日を迎えてしまった。


泣きそうになりながら謝ったら、優しく笑った相葉さんがそっとキスをして









「プレゼントはもうもらったからさ。ね？泣かないでよ」









そう言って、優しく頭を撫でられた。




相葉さんの優しさに、申し訳なさと愛しさがこみ上げてきて、結局泣いちゃって。


相葉さんは俺を泣かせないようにしてくれたのに泣いちゃったもんだから、焦り方がハンパじゃなかった。


最終的にはそんな相葉さんがおかしくて、泣きながら二人で笑ったんだった。









「…まだ……覚えてたんだね」


「えぇ？ニノ覚えてなかったの？オレてっきり狙ってたのかと思ったよ(笑)」


「んなわけないでしょーが…。ねぇ、プレゼント、キスだけでいいの？」









へ？と間抜けな声を出した相葉さんに触れるだけのキスをする。


たったそれだけのことにびっくりしている相葉さんの耳元に、唇を寄せた。









「俺も、あげる」









ああ、もう。


顔も耳も真っ赤なのが、自分でも分かる。




相葉さんは相変わらずびっくりした顔をしていたけど、あの時みたいにパッと明るく笑ってくれた。









「ありがとう、ニノ」









［Fin.］




【Happy Birthday.
Hoping this will be a wonderful year for you.】




'14.12.24

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