月が綺麗ですね。【短編集】Part2

プレゼント 01【AN】 ページ22

二宮 side









「俺ってさ、クリスマスと誕生日被ってるじゃん？だからお祝いとか全部まとめてやってたんだよね〜」









相葉さんがそんな話をしてくれたのは、もう随分昔のこと。


何となく、寂しそうに笑ってたから、プレゼントを二つあげようと思って


その年のクリスマスに、プレゼントを二つ、相葉さんにあげた。









「わー！ニノありがとう！でも何で二つもあるの？」









案の定、不思議そうな顔をしながら喜んでくれた相葉さん。


笑いを堪えながら、クリスマスプレゼントと誕生日プレゼントだよ、と教えると、今までの笑顔とは比べ物にならないくらいパッと明るく笑った。









「俺、二つも貰うなんて初めて！ニノありがとう！」









…本当は、プレゼントを二つあげるのは、その年だけにしようと思ってたのに


その時の相葉さんの笑顔が忘れられなくて、次の年からも、コイビトになってからも毎年、二つあげるようになった。




…でも、今年はどうにもこうにも買いに行けそうにない。




まぁ、毎年のことながら相葉さんの誕生日の時期っていうのは、忙しくて


今年はそれに加えて、スペシャルドラマもあったりしたから、すっかりタイミングを逃していた。









「これからはもう休みらしい休みはないですね。体調崩さないように気を付けて下さいね？」









思わずゲームをしていた手が止まってしまった。


マネージャーはそんな俺に気付くこともなく、もう別の話をしている。




相葉さんの誕生日まで一週間弱。


ヤバイ。どうしよう。




そんなことを考えていると、手元のゲーム機からゲームオーバーの音楽が流れた。


ああ、いいところだったのに………。




はぁ、と自然と溜息が口から漏れる。


相葉さんが見たら幸せ逃げちゃうよ！と笑うだろう。









「どーすっかなー………」









何か言いました？と聞いてきたマネージャーに、何でもない、と言って


ゲームの電源を切って、カバンにしまった。




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