月が綺麗ですね。【短編集】Part2

ツンツンデレ 01【AN】 ページ2

相葉 side









毎日顔を合わせてる。


そんでもって毎日話もしてる。




だけど









「(ニノ不足だなぁ…)」









ここ連日、目が回るほど忙しくて。


最後にニノと2人きりで会ったのはいつだったかな…、と思ってしまうほどだ。




まぁ5人一緒、っていうのは嬉しいんだけど


俺としては、ニノとちょっと触れ合いたいなぁ…なんて。


俺のただのワガママなんだけどね。









「相葉さん、着きましたよ」









マネージャーの声が掛かって、明日の時間を確認する。


午後からだから…ゆっくりできそうだ。




マネージャーにありがとね、と言って、車から降りた。









「…ありゃ？」









鍵を開けて部屋に入ろう…とすると、何故か鍵が掛かってる。




俺、今鍵閉めた？




不審に思いながらもう一度鍵を鍵穴に差して回すと、今度はちゃんと開いてくれた。


静かにドアを開けると、見慣れたスニーカーが揃えて脱いである。


…それを見て、口元に笑みが浮かぶ。




まぁ、分かってはいたんだけどね。


俺の家の鍵を持ってる人なんて、限られてるんだから。









「にーのーちゃん！ただいま！」


「んー、おかえり相葉さん」









ほら、いたいた。


ゲームを真剣にやってる後ろ姿。


その姿を見るのも、ちょっと久しぶりかも。









「ご飯食べた？」


「ん…まだ」


「そっかぁ、何食べたい？」


「相葉さんが作るんなら何でもいい」









にんまりと思わず頬が緩む。




何でもいい、っていうのは本当は一番困るんだけど


俺が作るんなら何でもいい、なんて、可愛すぎる。









「よっしゃ、ちゃんと残さず食べるんだぞ！」









ニノの後ろ姿に向かってそう言って、俺はキッチンへと足を向けた。




.

ツンツンデレ 02→←飲みかけのコーヒー【OS】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す