【13】 たいせつ ／K.NINOMIYA ページ13
◆
今日のAは…いつもより、よく喋る。
しかも…めちゃくちゃ、愉しそうに。
いくら俺が、自分の手元しか見てなくたって…分かる。
今夜のAが…いつものAじゃない事くらい。
「………何か、あったんだろ？」
突然、そう返したら…
ほら……………ね？
途端に、無言になっちゃったよ。
手元のゲーム機を、ソファーの脇に置き…改めて、Aを見つめる。
俯く姿は、萎れた花みたいで………
これは、尋常じゃないね。
「………言ってみ。話くらいは、聞けるよ？」
頑な……………出ちゃってますな。(苦笑)
「A。こっち、見て。」
やっと顔を上げた、Aは………涙目で。
しばらく会えなかった間のAに、思いを巡らせる。
「どうした？」
「和也には、お見通しなんだね…」
「まぁ…そうね。いつもの空気感じゃないなぁ…って事くらいは、分かるよ。」
「………星に、なっちゃった。」
「えっ…」
「カケル……いなくなっちゃった。」
Aの実家で、飼われていたラブラドールレトリーバー。
最近、体調不良だって事だけは聞いていたけど………
「………母さんがね。落ち込んじゃってて……」
「そっか…お母さん、カケルと二人っきりだったんだもんね。」
「……ん。父さんが亡くなってからは、“カケルだけが私の生きがい”って、言ってた。」
カケルと、カケルを失ったお母さんの気持ち。
それを想うあなただって、俺は心配なんだけどね。
「………A。支度して。」
突然立ち上がった俺を、疑問符だらけの表情で見上げるA。
「行くよ。お母さんトコ。」
「えっ…」
「カケルがいなくなっちゃったんなら、Aが側にいてあげなきゃ。」
「和也…」
「しばらくは、さ。お母さんトコ、顔出してあげようよ。Aは、娘なんだから。顔見せてあげたら…お母さん、絶対嬉しいよ。」
Aの両瞳から、大粒の涙が降ってきた。
「……行こ。」
「………ん。」
涙を零しながら立ち上がったAを、ゆっくりと抱きしめる。
時間の許す限りは、さ。
お母さんに、会いに行こう。
お母さんが、また……Aソックリの、太陽みたいな笑顔になれるまで。
出来る限り、会いに行こう。
◆
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愁(ｼｭｳ)(プロフ) - 舞花さん» 舞花さん。ありがとうございます！ 本当…このインタビュー、いつか実現しないかなぁと思う、今日この頃です。（笑） (2018年10月15日 21時) (
レス) id: 2a9117ff92 (このIDを非表示/違反報告)
舞花(プロフ) - 是非、翔ちゃん健ちゃんコンビを見てみたいものです(≧∇≦) (2018年10月15日 18時) (レス) id: 06beefc88f (このIDを非表示/違反報告)
愁(ｼｭｳ)(プロフ) - サハラさん» 遅くなりました！m(_ _)m 訪問＆コメント、本当に有難う！ 超短編なので、読みやすいかと思います。（笑） 気楽に、お楽しみ下され♪（笑） 感想などあれば、またお聞かせ下さいな♪(^-^) (2018年7月11日 1時) (レス) id: 2a9117ff92 (このIDを非表示/違反報告)
サハラ(プロフ) - 昨夜に一度、そして今もう一度来てしまいました(’-’*)♪美味しい所を一口ずつ、まさにより取りみどりの贅沢♪♪愁ちゃんの文章の大人な空気感がやはり好きです♪またつまみ食いしにきます！ (2018年7月7日 11時) (レス) id: 5a1d2d4503 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愁(ｼｭｳ)
作成日時：2018年7月5日 10時
