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20××年 夏
君と付き合って、2度目の夏。
僕は君に「週末山荘に泊まりに行こう。」と言いました。
「何しに行くの?」と聞く君に、
「内緒。」とだけ言いました。
朝8時。
僕は君を助手席に乗せ、
2時間かけてまずは牧場に行きました。
都会に住んでいる僕たちには
見慣れない広大な牧草地が広がっていました。
牛やら羊やら馬やらの動物の臭いが
牧場に来たのだなと僕に思わせました。
最初こそ、
その臭いに押される僕達でしたが、
動物達と触れ合ううちに慣れて、
動物達に餌をあげることも出来ました。
それは貴重な体験で、
君の笑顔もいつもよりいくらか輝いて見えました。
そこで食べた牛乳を濃縮したような
濃厚なソフトクリームの味を、
僕達は忘れないでしょう。
その時の君は、
また幸せそうな顔で、
ソフトクリームを頬張っていました。
ジリジリと熱い陽射しが僕達を焼きましたが、
ソフトクリームで相殺されたように思います。
まだ夏なのにも関わらず、
アキアカネがそのへんを飛んでいました。
僕が驚いていると君は言うのです。
「トンボって意外と早くからいるんだよ。」と。
「なんで知ってるの?」と聞くと、
「私昔は今みたいな都会に住んでなかったからだよ。」と言いました。
意外な事実に君をもっと知れた気になりました。
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作者名:ロマネスコ | 作成日時:2018年11月11日 17時