悪夢の再来 ページ33
そうだ、身体を強化しっぱなしのはず…
グッと力を入れる。
『…？』
力が入らない。急に大きな恐怖を感じて、勝手に個性が解除されている。
嘘…ほんとに為す術なしだ…無力だ…
またっ、私……
バシンっ!!!!
『っっっっ!!!!』
始まった。
私とお母さんの、お母さんにはただの遊び、私にとっては命が危うい拷問…そんな時間だ。
手始めとでも言うかのように鞭でビシバシと叩かれる。
『うっっっっ!!!!んっっっっ!!!!』
ぐっと目を瞑り、痛みに耐える。
さっきから逃れようと身体を捻じるけれど、だんだん足首や手首が痛くなってきた。
もしかしたらもう血が出てるかもしれない。
母「あっそうだわ！」
嬉々として笑うお母さん。
嫌な予感しかしない。経験から推測するに、お母さんが笑うのは、そのあと私に絶望させようとしている時だと、そう知っているから。
母「私たちが残した傷跡、残ってるわよね？見せなさい！」
えっ…ダメ!!!!それだけはダメ！
きょろりと周りを見れば、人質(私)とお母さんを悔しそうに見つめるクラスのみんながいる。
今、傷を出されたら…
そんなことしたら……また…みんないなくなっちゃう…
やめて…
大粒の涙が頬を伝うのがわかる。
『ん''ん''───!!!!!!!!』
切実な思いも、私の決死の抵抗も虚しく、お母さんの腰あたりから取り出されたナイフによって、コスチュームが切られていった。
最後の砦、包帯が露わになる。
お母さんがピッと手を一振して包帯を操作し、外す。
肌が空気に触れる。
''終わった''
スポブラを除いて全ての衣類がとっぱらわれた私の上半身には、かつての傷跡が残っている。
色が薄くなっても、肌質はガサガサだったりケロイドのようになってツルツルだったり。
そして…多分1番目を引くのは、お腹にできた大きな傷跡。酒を飲み、いつもよりひど目に虐待された時に刃物で浅くだけど刺され、なかなか治らずに大きな跡になってしまった傷。
ヒッと息を呑む音が聞こえた。
そりゃそうだ。私だってみんなの立場だったらそうなる。
驚くよ。
母「ほー。意外とエグめに残ってんだね〜。
よかった、綺麗じゃなくて。
綺麗だったら…
殺してたかも♡」
殺すなんて今更だ。
もっと前に殺してくれていてもよかった。
そうしたら……もっとラクだったかもしれないのに。
塞がれた口で自分に乾いた笑みを零した。
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葵 - 緑谷くんにキュンとなる所が心に残りました！とても面白かったです！頑張ってください！ (2021年10月19日 22時) (
レス) @page47 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
間 - あまりに面白くて一気読みさせて頂きました！素晴らしい作品をありがとうございます！ (2021年8月23日 1時) (レス) id: 9c9c49e816 (このIDを非表示/違反報告)
るみあ - とても素敵です！続き楽しみです！ (2021年8月10日 23時) (レス) id: d15cfe7605 (このIDを非表示/違反報告)
適応障害 - 虐待受けてる子は普通の子よりも幼いし、7歳であそこまで喋れるのはちゃんとした教育があってこそです。まともに教育されていなかったら4.5歳ぐらいの喋り方です。保育所とかに行っているなら納得しますが…行ってなくて彼処まで発達するのは凄いですね。私から見て謎。 (2019年4月1日 5時) (レス) id: d07377e770 (このIDを非表示/違反報告)
ロマネスコ(プロフ) - まあやさん» コメントありがとうございます！いや〜意外と面白さにはこだわっていると自分でも思って...(殴 今ちょっとpixivとかの小説書いているので更新めちゃくちゃおそいでが、気長に待っていていただければなぁと。これからもよろしくお願いします!!!! (2019年3月16日 10時) (レス) id: 70cbcfcbbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロマネスコ | 作成日時：2018年9月10日 23時
